水びたしの二人と水
 

木下淳監督、ｱﾙｺﾞﾌﾟﾛｼﾞｪｸﾄ作品。
　
折からも公開当初石田姉妹ﾌﾞｰﾑ。

大林監督「ふたり」と絶好調の石田ひかり。

おとこ組、岡本健一主演。

彼がいじめられるんですが、ある日不思議な能力を持ちます。

そんななか二人は出会います。

フランキー堺氏やまだ売れてない浅野忠信くんが必見です。

二人がコミニケイトする水槽のような部屋がとても綺麗。

青春映画かな？

と
おもわせといてちょっと外れた作品。

石田様は勿論カワユスです。

銀色の電灯のｼｰﾝが印象的。

なるほどﾚﾋﾞｭｰ様の言うﾀﾙｺﾌｽｷｰｵﾏｰｼﾞｭ(「ﾉｽﾀﾙｼﾞｱ」)！

けど本作でしなくても、ﾀﾙｺﾌｽｷｰみんな知らないよー！

木下監督が水と光を丁寧に撮りあげています。

水浸しのあいつらわとても綺麗だ！

2009年3月6日 16時28分レビュー

追記
本作１回しかみてないけど、よく覚えてます。こういう冒険する青春映画も激減しましたね。まあ本作、消滅したアルゴプロジェクト（ATGのようなもの）作品なため、大胆なアプローチが可能だったんですがね。
DVDほしいなぁ。木村監督は、確かCM出身だったでしょうか？

洪水、超能力、宇宙人…かなりとっ散らかった印象のシュールな青春コメディ。
『ふたり』の時も感じましたが、石田ひかりがかなりかわいい。正拳突きの流れでたいやき受け取ったりイミフ演出も相まって不思議型女子をうまく体現しています。
岡本健一の上野のシーンはゲリラかな？懐かしい上野駅前が見られて嬉しかったな。

公開当時、映画界から見放されたのか抹殺状態だったけど、図抜けて面白かった。
いくつかリファレンスを想起させる表現もあるけれど、物語にきっちり落とし込めていると思う。
ほぼ同時期の北野武が認められるのであれば、これももっと評価されて良い。

溝口健二のDNAを受け継いだ相米慎二がタルコフスキーの脚本を北野武のアドバイスで作った映画の様。

大洪水でこの世の水没を期待するいじめられっ子の話。
いじめられっ子で喘息持ちで超能力を持つ主人公に岡本健一、ノストラダムスが好きだというやる気のないバスガイド石田ひかり、シングルファーザーなのに家にも帰らず消防士の仕事もサボる岸辺一徳、主人公をいじめ自衛隊に誘う浅野忠信、自分を宇宙人だと言う予想屋フランキー堺。キャストも面白い。

全体的に状況説明や感情を見せるのに、説明的で無く、バスガイドがバスの中で歌うワンマンショーで見せたり、荒れた家を仰向きに這って深海を進んでいる様に見せたり、工夫も楽しい。
そしてそれを構成するのが、神の視点の様な引いたワンシーンワンカット。そこにクラッシックが掛かるのも世界の理を見ている様。

そして登場人物が全員どこかへ脱出したり変化させたり世界を壊したり逃げ出そうとしてる世紀末思想はタルコフスキーのストーカーに通ずるも、タルコフスキーは超能力でギリギリ未来を見せてくれたのに対して、こちらは主人公の超能力で何も変化を見せないのも、バブル以降の諦念感を体現してるのも興味深い。