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星守る犬のminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

星守る犬(2011年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

北海道のキャンプ場に放置されたワゴン車から男性と犬の死体が見つかる。市役所員の主人公が僅かな手がかりをもとに遺体の主の足跡を辿るという話。

ラスト1時間くらいは鼻の奥が痛くなるくらい泣き続けて、鑑賞後はぐったりでした。
予想と違って構成の妙が光る作品。ただの動物ものにはおさまらないミステリー要素も秀逸。

玉山鉄二演じる市役所職員が、西田敏行演じる犬の飼い主の東京からの足どりをたどるのだが、なんてことのない筋書きなのに2人の視点と心情の揺れ動きを見せつつ、徐々に物語の全貌が明らかになる展開が上手く、感動の度合いが数倍増しになっている。
ロードムービーの要素も魅力的で、玉山鉄二の旅に途中から加わる川島海荷がいい味だしている。旅で出会う人々の口から語られる西田敏行の逸話が泣ける。
旅の終着点につく前後からは、一見冷めた男と思われていた玉山鉄二の犬との思い出が語られたり、西田敏行演じる男の半生が回想され、最後は飼い犬が天に召されるまで丁寧に見せるという盛りだくさんな内容。でも、すごく悲しい話。

犬の繊細な演技が素晴らしかった。可愛かったけど、人間のエゴとかも見えて、非常に考えさせられる映画だった。
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