ドク「ここを出てカリフォルニアに行こう」
ケイト「いつ？」
ドク「直ぐだ」
ケイト「直ぐじゃ遅すぎるわ」

前から観たかった未ディスク化の本作がCSで放送されたので録画鑑賞。
先日から『フロンティア・マーシャル』『荒野の決闘』『OK牧場の決斗』『墓石と決闘』とOKコラル・マラソンを始めたのは実は本作を観たのがキッカケです。

本作は1971年公開のアメリカン・ニューシネマ・テイストのOK牧場の決闘。
監督はニューシネマの怪作『泳ぐひと』（バート・ランカスター主演）のフランク・ペリー。
これまでは保安官ワイアット・アープの相棒で準主役だったドク・ホリデイが堂々のタイトル・ロールです。原題もズバリ“DOC”。

肺結核で余命宣告された元歯科医でスゴ腕のギャンブラー兼殺し屋、痩せぎすで死んだ目をした全身黒づくめのドクを好演しているのは、当時のドクと実年齢が同じ30歳のステイシー・キーチ（『センチュリアン』『ロング・ライダース』）。
中国人のアヘン窟に入り浸る姿は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』のデ・ニーロを思い出します。

ドクの妻ケイト（通称“ビッグ・ノーズ・ケイト”）を演じるフェイ・ダナウェイ（『俺たちに明日はない』『華麗なる賭け』）も娼婦として登場する冒頭からもう存在感がヒシヒシ。

本作のワイアット・アープ（ハリス・ユーリン）の方は初めからなにやら胡散臭く、名保安官というより地位と富に固執する策士といったところ。
やたら銃身の長い伝説の愛銃バントライン・スペシャルもしっかり携帯しており、実在しなかった説やもっぱら棍棒代わりにして殴ってた説もありますが、本作では後者を採用。

本作のストーリーは『墓石と決闘』よりもさらに独自の視点で、クラントンとの闇取引に失敗したワイアットが邪魔になったクラントン一味をOKコラルで一方的に抹殺する流れ。
クライマックスのOKコラルの決闘そのものは史実同様あっという間に終了しますが、４人VS７人の設定やアープ側は４人全員がショットガン所持（クラントン一味がビビる描写あり）、ドクを慕う敵の末弟ビリー・クラントンとの関係など他には無い描写も多々あり。

ワイアットとの友情にも翳りが･･･
ドクは何かに目覚めたのか、それとも壊れたのか。
たしかにニューシネマ・テイストの虚無感漂うラストでした。

• #HKウェスタン
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話し合い

伝説化されているドク・ホリディとワイアット・アープをアメリカン・ニューシネマの視点から史実に沿って描いた異色西部劇

評判

雰囲気ある作品

酒場
暮らしぶり

行く末
人間模様が見どころ

関係性
ロマンスもしっかり

決闘も少しあります

むかし劇場で。浅草中映？ステーシーキーチとフェイダナウェイ共演の西部劇。これまでビクターマチュアやカークダグラスやジェーソンロバーツなどが演じてきたドクホリデーを主人公にした伝記。ジミーウェッブがサントラスコアを手がける。