歌舞伎十八番鳴神 美女と怪龍を配信している動画配信サービス

『歌舞伎十八番鳴神 美女と怪龍』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

歌舞伎十八番鳴神 美女と怪龍
動画配信は2025年5月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
本ページには動画配信サービスのプロモーションが含まれています。
目次

歌舞伎十八番鳴神 美女と怪龍が配信されているサービス一覧

歌舞伎十八番鳴神 美女と怪龍が配信されていないサービス一覧

Prime Video
U-NEXT
DMM TV
Rakuten TV
FOD
TELASA
Lemino
ABEMA
dアニメストア
Hulu
Netflix
JAIHO
ザ・シネマメンバーズ
WOWOWオンデマンド
アニメタイムズ
Roadstead
J:COM STREAM

『歌舞伎十八番鳴神 美女と怪龍』に投稿された感想・評価

◎前進座の河原崎長十郎と乙羽信子による鳴神

1955年 東映京都 99分 モノクロ スタンダード
*画質、音質とも良くない。アフレコずれあり。

歌舞伎俳優は全て松竹所属と思っている人も多いと思うが、前進座は、1931年に歌舞伎の門閥制に異を唱えて松竹から独立し、今も現代劇とともに歌舞伎を上演し続けている。
その「七人の侍」と呼ばれた前進座創設メンバーの一人で、後に座頭となる四代目河原崎長十郎は、江戸三座の控櫓河原崎座の座元の家柄にありながら熱心な共産主義者でもあった。
昭和生まれにとっては、テレビのホームドラマで優しいパパ役が多かった河原崎長一郎さんの父親だと言った方が分かりやすいかもしれない。
その長十郎が得意の鳴神上人を演じた前進座創立25周年を記念して製作された映画。

【以下ネタバレ注意⚠️】






冒頭、今も京都南座の年末恒例の顔見世興行でお馴染みの「まねき」風のキャスト、スタッフクレジットが出たあと、芝居小屋前での座元の口上があり、すぐに小屋のなかの景となる。

花道が現在の舞台下手側に直交する形ではなく、舞台中央やや左手に斜交し、揚幕も客席の背後ではなく、下手側の壁面に開く江戸時代の古い形を再現している。

舞台では、大内(おおうち、大内裏)の場で、関白基経(嵐芳三郎)、早雲王子(河原崎国太郎)、小野春道(瀬川菊之丞)、文屋豊秀(東千代之介)らが登場し、豊秀らが舞を披露する。
すると、花道を、旱魃に苦しむ百姓らが群参して天子様なら雨を降らせて欲しいと訴える。

大臣らは必死になだめるが、百姓たちは聞き入れない。
ここで、舞台は、芝居小屋から実写の大内裏に変わる(平安神宮や寺院の回廊などを組み合わせてロケした模様)。

つまり、プロローグは、歌舞伎の舞台に始まるわけだ。
そして、物語のラスト、雲の絶え間姫によって破戒して龍神を封じ込めた注連縄を断ち切られたことを知った鳴神上人が赤い隈取のある「荒れ」の扮装に変化するところから再び歌舞伎の舞台に戻る。お決まりの荒事の演技をたっぷり見せて、大荒れの飛び六方で花道を駆け抜け、揚幕に飛び込んだところで、「終」が出る。

要は、最初と最後を歌舞伎の舞台で演じ、真ん中のアンコの部分を実写で演じるという構成だ。

冒頭の芝居小屋前の「まねき」に、「鳴神不動北山桜」と表示されているように、「鳴神」の段を含む、本来の通し狂言に一応準拠はしている。

しかし、現在しばしば上演される歌舞伎の「鳴神不動北山桜」は、1967年に二代目尾上松緑が復活上演して以降、何度か形を変えて上演されて来たもの(*3)。
つまり、この映画が製作された1955年時点では上演が江戸時代以来途絶えていたのである。
だから、早雲王子ら、登場人物は原作から借りて来てはいるが、上演頻度が高い「鳴神」の段以外は、ほとんど映画のための創作に近いと言っていい。

ところが、この「鳴神」以外の部分がまるで面白くない。

立ち話で要件を済ます関白基経は、ダメ上司を絵に描いたような凡人ぶりだし、何やら皮肉屋を気取る早雲王子も原作の怪奇さもなく小人物にしか見えない。

天下の二枚目、東千代之介演ずる文屋豊秀も(舞踊の家元になったそうだが)舞も変な感じだし、無能な色男でしかない。

安倍晴明(高松錦之助)に至っては、当代一の学者だと嘯きながら、『遊船叢』の漢文が読めないと白状する、文字通りの無知無能ぶりをさらけ出す始末だ。

『悪魔くん』のメフィストこと、怪優吉田義夫が、比叡山の悪僧遠真を演じていたが、一切セリフなしで、出オチ扱いだったのは笑えたが。

前進座総出演に、二枚目スター東千代之介が加わっても男優陣はこぞってパッとしない。

そのなかにあって、唯一、気を吐いていたのが、歌舞伎とは無縁の乙羽信子の雲の絶え間姫。

上映館である京都文博の解説に言う「いわゆるアプレ女性として登場」させた前半よりも、通常の「鳴神」の段に入って、手練手管で上人を堕とすシーンが台詞回しといい、下品にならないギリギリの線で裾をまくって素足を見せたりする色気とのバランスといい、素晴らしかった。

鳴神上人は、長十郎の十八番だそうだが、素の総髪の修行僧姿では、高僧らしい威厳は感じられなかったが、「荒れ」の扮装に変わってからの荒事の演技の方は流石に本寸法で良かった。

同じく歌舞伎十八番の『勧進帳』を映画化した黒澤明の『虎の尾を踏む男たち』(2024.5.14レビュー)も成功作とは言い難かった。
本作も同様に、完成された形の様式美を味わう種類の歌舞伎劇を選択したことで、映画化自体のメリットがほとんどなかった好例と言うしかない。

歌舞伎劇を原作とする場合でも、『忠臣蔵』や近松らによる世話物では、数々の優れた映画作品が産まれている。
それは、元の物語自体にリアリズムがあったからで、そもそも『勧進帳』や『鳴神』なら映画ではなく歌舞伎を観れば良いだけのことだ。
映画が全てにおいて万能ではない、ということの証明がここにある。

《参考》
*1 「美女と怪龍」で検索
ja.m.wikipedia.org/wiki/

*2 歌舞伎十八番 鳴神 美女と怪龍
1955年10月3日公開、99分、時代劇
moviewalker.jp/mv24367/

*3 食いしん坊の古典鑑賞雑録
雷神不動北山櫻 1967年復活上演からこれまでを辿ってみる
2021-05-08 02:55:56
ameblo.jp/madamfabian/entry-12673166111.html

《上映館公式ページ》
京都府京都文化博物館
映画に見る平安時代
Date
2024.5.10(金) 〜 5.31(金)
www.bunpaku.or.jp/exhi_film_post/20240510-0531/
3.7
歌舞伎の映画化、芝居小屋で演目を演じている風景と、芝居の内容をスタジオとロケで再現と、二つの側面を一本の映画で実現したのは珍しいのでは?
再現シーンの台詞も現代語と芝居口調の二つをシーンごとに使い分けている。
さすが古今東西の演劇脚本で学んだ新藤兼人だなと。
芝居小屋もわざわざ江戸時代にして土間席や桟敷席の観客も弁当食べたり、役者と目配せしたりと当時の雰囲気を描く細かさがいい。
Omizu
4.5
【キネ旬日本ベストテン1955 第10位】
新藤兼人が脚本、名匠吉村公三郎が監督という布陣の歌舞伎「鳴神」の映像化作品。

すごく面白い!江戸時代の歌舞伎の舞台から劇中劇として本編に入っていくという構成がとても面白い。ラストも歌舞伎の舞台に戻り見せ場を歌舞伎としてみせていくのもとても上手い。

まずなんといっても乙羽信子が最初に映ったときの可憐さは思わず「かわいい〜」って口に出してしまったほど。またアメノウズメの如く肉欲的な踊りを披露する日高澄子さんのセクシーさときたら…!

基本コメディとして撮られており、堅物(というか童貞)の鳴神が可憐な女に言い寄られてドギマギしちゃうのとか可愛くて笑った。

姫が飄々と困難に立ち向かっていくという物語的なカタルシスもあり僕はとても好きな作品になった。龍も歌舞伎の装置をそのまま利用したようでそれがまた神々しさもあっていい効果をもたらしていたと思う。

『歌舞伎十八番鳴神 美女と怪龍』に似ている作品

湖の琴

製作国:

上映時間:

130分

ジャンル:

配給:

  • 東映
3.7

あらすじ

人間の悲しみと喜びの涙でできたといわれる余呉湖。貧しい農家の娘・さくは、その水で三味線糸や琴糸を洗う西山部落へ連れてこられ、同郷の男衆・宇吉と恋に落ちる。宇吉が兵役に行っている間、さくは京…

>>続きを読む

冷飯とおさんとちゃん

製作国:

上映時間:

177分

ジャンル:

配給:

  • 東映
3.9

あらすじ

美しい娘に一目惚れした旗本の四男坊・大四郎が、趣味で集めた古文書でお上に召し抱えられ、めでたく娘と結ばれる(「冷飯」)。肉体的奇癖を持つ女房から逃げるように旅に出た大工の参太が、旅先で女房…

>>続きを読む

橋蔵のやくざ判官

製作国:

上映時間:

91分

配給:

  • 東映
3.2

あらすじ

ある日、長屋の家主・勘兵衛が殺害される。目明しの八五郎がお白洲で見覚えのある住人・文吉を疑うなか、今度は役人立ち会いで勘兵衛の金櫃を開けた飾り屋の太三郎が殺害されてしまう。そんな騒ぎの最中…

>>続きを読む

八百万石に挑む男

製作国:

上映時間:

95分

配給:

  • 東映
3.4

あらすじ

懐から取り出した紀州徳川家伝来の家宝と将軍の落胤だという言葉が本物と信じられ、美濃の常楽院へ連れて来られた宝沢。天一坊の尊号を与えられ祭り上げられていたなか、常楽院を訪れた山内伊賀之亮から…

>>続きを読む

旗本退屈男 謎の暗殺隊

製作国:

上映時間:

83分

配給:

  • 東映
3.3

あらすじ

将軍・綱吉は人命調伏の呪いにより恐怖と苦痛にさいなまれていた。しかも柱に打ちつけられた呪いの人形を占ったところ、呪いの本拠は御三家筆頭・尾張大納言と出た。老中・豊後守は早乙女主水之介を尾張…

>>続きを読む

恋や恋なすな恋

上映日:

1962年05月01日

製作国:

上映時間:

109分

配給:

  • 東映
3.6

あらすじ

朱雀帝の頃、政争の犠牲となって最愛の人・榊の前を失った天文学者・安倍保名は正気を失い、都を追われて流浪。保名は悲しみの流浪を続けるうち、旅先で榊の前の妹・葛の葉姫と、葛の葉姫に化けた白狐に…

>>続きを読む