【エロチシズムへの目覚め】
2022年52本目
1957年、ソ連からスプートニク2号に乗せられ初の宇宙飛行を果たしたライカ犬。
しかし、帰ってくることはない。犠牲になる前提の飛行だった。その犬は、助かるはずもない人工衛星の中で苦しみ死んでいったのだ。
"そんな犬よりはまだマシだ。"
主人公の男の子、イングマルの語りから始まる。
兄貴からはいじめられ、父親は家にいない。母親は病気で床に伏せている。甘えたい時期だけど、自分のミスや問題行動のせいで母親はひどく疲れ、激怒している。
好きな女の子とイチャついてたら、その父親に見つかり追いかけられる。
暖をとろうと火をつけたら、大火事になってしまった。
何もかも上手くいかない。
イングマルの心の友は愛犬のシッカンだけだ。
叔父の家に移住することになったイングマルは、シッカンを置いて母親から離れることに。
そこで出会った一見男の子のようなイケメン女の子とボクシングを通じて仲良くなり、仲を深めていく。
叔父はサッカーコーチで、イングマルを主力に。離れの小屋で秘密基地作り。
叔父の職場にはセクシーな女性。
みんな優しくてそこには居場所があるようだった。
恋をし、性にも目覚めていく思春期。
実家に戻ると母親が救急車で運ばれていく。動いていない。
シッカンは見当たらない。
そうしてまた叔父のところへ行くことに。
シッカンの死に落胆している彼。母親の死には気づいていないらしい。
イングマルはこうして、着実に大人の階段を登っているのだ。
◉性の描写
イングマルの兄貴が、街のキッズたちに子供の作り方を教授する。
好きな女の子がマセてて、"脱いだからこっちきて"と誘う。
叔父の職場の女性がヌードモデルになってるのをなんとか覗こうとするイングマル。
女であることを黙って男として振る舞っている子。
性教育の考え方や、個の性の考え方の成熟みたいなものがこの映画には詰まってる。
日本人には馴染みのない恥じらいのないエロチシズムを感じられる。