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マイライフ・アズ・ア・ドッグの小のレビュー・感想・評価

4.2
「午前十時の映画祭9」にて鑑賞。大事な人の喪失、自分の力ではどうにもならない不幸。そういう境遇にある12歳の少年が、個性的で変わった人がたくさんいる田舎の村で人々とかかわりながら、自分と向き合い、悲しみを誤魔化さずに受け止め、乗り越えていく物語。

年よりも精神的に幼い感じの、町社会の感覚ではちょっと問題児な少年。病弱な母に甘えることができないばかりか、療養のため少年は田舎の叔父さん宅に行くことになる。

少年は個性的な人々の中で受け入れられていくけれど、均質化した集団の町に中に戻るとやはり生きづらそう。母が入院することになり、いったんは海外にいる父の弟が引き取ろうとするけれど、馴染めず再び田舎の叔父の家に。

すると以前と事情が変わり、友達ともいろいろあって、少年は喪失の悲しみに真正面から向き合わざるを得なくなる。しかし、やはりそんな少年を受け止める村の人達。こんな社会あったら…。

自分的にはオッサン度が試される映画。少年の心の動きがとても上手く表現されている気がするのだけれど、派手なことは起きないからちょっと退屈に感じてしまった自分は、そういえば「体は硬いが 頭も固い」な「実年行進曲」(byクレイジー・キャッツ)年代だなあとちょっとため息(「実年」って死語ですが)。

こういう作品をもっと愛でれる大人になりたかった…。

●物語(50%×4.5):2.25
・名作には違いないかと。

●演技、演出(30%×4.0):1.20
・村人のキャラが好き。

●画、音、音楽(20%×3.5):0.70
・いい感じ。
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