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同級生のRのレビュー・感想・評価

同級生(1998年製作の映画)
4.7
夏の風物詩と言えばBL!ということで野郎ばかりで集まって久々に見た!が!やっぱり素晴らしい! 発展トイレで引っかけた男とエッチしたりはするけど恋愛にまではいかない内気な男子高生のスティーヴンが、ある日そのトイレで学校いちイケメンのジョンと遭遇! え! まさか…キミもゲイなのかい?みたいになるねんけど、ジョンは自分がゲイであることを受け入れられないタイプ。舞台のイギリスは同性愛が1970年代くらいまで違法だったらしいので、やっぱまだ高校生だとそういう差別の名残が強く残ってるんでしょうね。さらにスティーヴンはなよっとした文系のシャイボーイやから、学校でこのホモが!と虐められてる。そんな風潮のなかで、学校人気No. 1の男が、自分がゲイであることを受け入れるのは確かに難しいのであろう。けど、マジかよって感じやけど、何だかんだで2人は付き合い始める。ここまではどんなゲイボーイでもが羨む展開。しかし、ジョンはスティーヴンに学校のみんなの前ではオレに話しかけるな!って言ったり、お前が誰かにゲイだとバレるようなこともすんな!オレの方もバレるだろって言ったり、とにかく保身のことばかり、とはいえ、明らかにスティーヴンのこと好きなんだけど。でもスティーヴンは家族にも友だちにもありのままの自分を受け入れてもらって、自分らしく生きたいと思い始める。これがふたりの間に溝を作ってしまう。この難しさはホントにリアルで、切なくて、何とかうまくいってほしいなーと願わずにはいられない。ゲイであることをオープンにして生きたい人と、クローゼットのなかで生きたい人。オープンにすればそれだけ大変な思いもするだろうが、自分が自分らしく生きられないつらさ、自分を抑圧することは他者をも抑圧してしまうという可能性を考えると、やっぱオープンにしてしまったほうがいいんやろうなと思う。もうこれ以上思いをひとりで抱えきれなくなったスティーヴンの最後のスピーチは涙なしには見られない、悲しさと力強さと感動がある。そして、それをしっかり受け入れてくれる人がいることの嬉しさ! でも恋の終わりは、その喜びの大きさと同じくらいに切ない。あーもう!ジョンのバカたれが!…からのぽっちゃりリンダ! 最高! とにかくリンダ! 最初から最後まで最高! 教習に行くときのものすごいヘアスタイルも、下手クソな貧血演技も、あなたと私とメルギブソンも、とにかく最高、見事なコミックリリーフ! ゲイとデブのバディムービーとしても大いに楽しめる。爽やかで、楽しくて、切なくて、嬉しい、夏にピッタリの映画ではないでしょうか。自分のセクシュアリティで悩んでいるすべての高校生に、否、自分らしく生きたいけれどそうできない全人類に是非とも見てもらいたい映画!
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