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地獄の7人のbackpackerのレビュー・感想・評価

地獄の7人(1983年製作の映画)
3.0
「明日また笑って会おう。もし会えないなら、これを良い別れとしよう」

ーーー【あらすじ】ーーー
米陸軍のローズ大佐は、73年にベトナム戦争に従軍し行方不明(MIA)となった息子フランクを探し続けていた。
行方不明から10年後、ラオスの奥深くにある捕虜収容施設に、息子らしき人物がいるとの情報を掴んだローズは、息子の戦友達に声をかけ、捕虜救出作戦を決意するが、米国政府はそれを良しとせず……。
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『ランボー/怒りの脱出』『地獄のヒーロー』といった作品に影響を与えた、所謂MIA奪還・救出物の先駆け的作品です。
『七人の侍』好きなジョン・ミリアスが製作に入っていることもあり、スタローンとノリスの前述2作が単身無双するのに対し、本作はチーム戦。「並外れた勇気」という意味の原題を『地獄の7人』にしたのもこのためです。
ストーリーは巨匠ジョン・フォードが監督し、ジョン・ウェインが主演した傑作西部劇『捜索者』をベースにしていると言われますが、なるほど確かに。


MIA奪還・救出物は、当然ベトナム戦争で家族を失ったアメリカ市民の希望・願望の反映及び救済でもあったわけですが、同時に、"米国の敗戦"という事実に対し「綺麗事じゃ解決できない。最後にものを言うのは暴力だ」とばかりに、恥辱を注ぐべく落とし前をつけに再び乗り込んで行くという、ウルトラ傲慢な考え方を振りかざしている点はご注意を。
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