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人間魚雷回天
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『人間魚雷回天』に投稿された感想・評価

桃龍

桃龍の感想・評価

3.5
2021-07-05記。
実際の特攻から11年しか経っていないから、訓練や室内、鉄拳制裁などの描写は正確に違いない。よくぞ映画化したと思う。
「お世話になりました」と言って発進する軍神たちは、みんな大学生。学力や体力が必要だったのか。
DVDは画面や音声が不明瞭だが、それが逆にリアル。
戦後10年しか経っていないからか、監督が海軍出身だからか、戦中軍部の描写にただならぬリアリティがある。
太平洋戦争の末期、海軍は必死必中の人間魚雷回天の特別攻撃隊を編成。嬉々として「回天」なる特攻兵器の戦術性を説く指導官と、爆破実験を見せられ「あれが俺の死に方か…」と絶句する訓練兵たち。本作で描かれる指導教官もあくまで旧日本軍の負を背負ったキャラクターだが、『兵隊やくざ』や『陸軍残酷物語』で描かれるような地獄のしごきをする卑劣の鬼ではなく、あくまで上司であり教育者であり時に人らしい顔ものぞかせる。
ひとりの若者が「みんなは本当にこれでいいのか?」「嫌なのは俺一人なのか?」と現状を疑ったり、良心的士官が「海軍の伝統は誤りだ」と精神論を否定するのは確かに象徴化的ではあるが、戦争なんて誰もしたくないし、死にたくないのはわかりきっているのに、どうしてこういう世界に生きているのかと、そんな問いを投げ掛けられているようだ。
人間魚雷回天を操舵して、敵艦艇に体当たり攻撃を行うのは、まごうことなく血の通った人間であり、20代半ばの若者なのである。零戦はかつての日本の工業力の象徴として、その流線形の美しさを誇らしくも感じられるのだが、回天という死を前提とした兵器の異様さったらない。実践投入されるのは1944年の終戦前年ではあるが、実戦ではなく訓練中に半数が死ぬような危険な乗り物だったとは。開いた口がふさがらない。
生きて帰ってきた男に、「とにかく生きていて良かったよ」と肩を叩いて励ます同期たち。これが正常であるべきで、死ななかったことを悔いる精神なんてものが如何に異常であるか、死の意味を自問自答する登場人物たちの群像を追いながら、全体主義への憎悪を込めて描かれている。
エリートだとしても特攻的な価値観を賛美奨励する組織構造に取り込まれなければ生きていけないのが、日本人・日本人社会の最悪な所だ。回天に乗り込む青年将校たちは、みな名門大学卒のインテリであり、日本のおかれている状況を冷静な目でみている。一方、教養の無い若者ほど「お国のために死にたい!」などと目を輝かせながら勇ましいことを言う対比がおぞましい。
そして恋人との海辺デート。打ち寄せる波と逆光のバレエ、空想の海水浴場、最上のメロドラマだったとしても、これほど悲しい海辺を撮れるだろうか。そう遠くはない未来、男は太陽の光の届かない海の底の底に骨を沈めるのだと、この絵がそんな悲劇を強く印象付ける。
クライマックスで回天に乗り込む主人公たちを長回しで追いかける映像は、さすが東宝の職人監督なだけある。大人が腰を屈めて頭を下げなければ通り抜けられないような細い通路のあいだに、映像を少しもぶれさせることなくカメラを通したのか、どうやって撮影したのだろう。
「我未ダ生存セリ」と刻む主人公。身体が朽ち果てたとしても、海の底で日本への思いが生きている。それはきっと、愛であり、怨みでもある。
2009年の感想。最近亡くなった松林監督作品。この映画の中でも自分の分身のような龍谷大学出のお坊さんが回天に乗り込む。わざわざ言うところがわざとらしい。特に出港シーンなど回天乗組員に誇りあるシーンを与えており敬意を払った見事なシーンです。ほかはセンチメンタリズム満載で戦争反対、海軍はやなこともあったが良かったぜみたいな松林監督の実感でしょうか。「出口のない海」と比べればずっといい作品でした。

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