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ロミオとジュリエットのchikichikiのレビュー・感想・評価

ロミオとジュリエット(1968年製作の映画)
3.8
 シェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』の優れた映像化として、いまだに評価の高いフランコ・ゼッフィレリ監督版を初鑑賞!!


 非常にテンポの良いストーリー運びで、特に中弛みを感じる様な場面は少なく、詩的なセリフや美しい美術セット、煌びやかな衣装、イタリア・ヴェローナの街並みなどなど…
 その他の映画作品の中でも、原作世界の再現度と言う点では、かなり完成度高い作品ではないかと思いますし、ロミオ&ジュリエットを演じた、レナード・ホワイティングとオリヴィア・ハッセーの2人もハマり役で、当時まだ、無名の新人であった2人を起用した事による、初々しいと若さ故の無鉄砲さにも説得力がありました。


 また、細かなシーン演出も良く、有名なバルコニーのシーンやダンスシーンなど、時間をかけて描かれる場面でも、違和感なく楽しめました!

 両家に属する若者たちの悪ノリから取り返しのつかない事態に発展していく過程や2人を取り巻く大人たちを含め「両家の確執」を前提とした思考から抜け出せていない人々が丁寧に描かれていて、改めてこの物語は起こるべくして起こったのだなーと。

 そして、砂上の楼閣が崩れ落ちるが如く、引き裂かれる若き2人の悲恋を非常にドラマチックに盛り上げ、別世界に連れて行ってくれるかの様な哀愁漂うニーノ・ロータの音楽も素晴らしかったです!!
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