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ヘラクレスの逆襲のFilmomoのレビュー・感想・評価

ヘラクレスの逆襲(1959年製作の映画)
4.5
①邦題は『ヘラクレスの逆襲』とあるが、敵に『逆襲』するわけではない。前作の結末から故郷テーベへ戻ったヘラクレス一行が、国王一家の骨肉争いに巻き込まれ、放っておくと国が亡ぶというのを阻止するために、ヘラクレスがひと肌脱ぐという話。しかしその間、ヘラクレスはセクシーなリデュア国王女に軟禁され骨抜きにされる。そのため、彼を救おうと従者のオデュッセウスが奮闘する。②リーブスの演技は板についてきて、1作目よりも落ち着いた感じがする。初登場となるイタリア・セクシー女優シルヴィア・ロペスに見どころを取られ、シルヴァ・コシナは出番は少ないものの、ここでもセクシーな衣装でお色気を振りまいている。物語は、テーベの国の分裂と内紛を救うためにヘラクレスが立ち上がったものの、ふにゃふにゃになり、そのヘラクレスを、1作目でアルゴ船で苦楽を共にした者たちが救い出すという筋書きがメインになる。救い出されてからのヘラクレスの活躍は言うに及ばずで、観客はラストのナマの肉弾戦をたっぷりと楽しみ、大満足を得る。これを観るとCGとは全く違う質感のモブ・シーンの凄さがありありと分かる。③リーブスはこの後、ファンの間でも傑作と名高い『鉄腕ゴライアス・蛮族の恐怖』に出演する。『ヘラクレス』からたった2年。元ボディビルダーで鳴かず飛ばずの俳優だったリーブスがその後の映画界に大きな足跡を残すことになったこの時代、イタリア映画界は強かった。
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