①シミュレーション映画の最高峰かつ、人類に対するたぐいまれなる警告映画。核戦争後に変貌していく世界の崩壊・滅亡を子供だましな方法ではなく、各界の専門家から寄せられた核戦争後の時間経過のディテールをシナリオに盛り込んで、実際に起きた核戦争のドキュメンタリー映画を見せられているかのような気分にさせる。②ヒロインが核戦争後に出産し、その後生まれた娘が悲惨な世界の中で成長していくが、戦慄のラストを迎える。これはもう憂鬱でしかない地獄の世界だ。中盤あたりでイギリスの人口は中世時代くらいまで減少したというテロップが出る。恐ろしい１文だ。戦争によって崩壊した社会では、後の世代は言語を失う。食糧も燃料も、ありとあらゆるものが失われる。放射能にまみれたこんな世界で生きていくことに意味があるのだろうかと思わせる。死んだ方がましだ。③この核戦争の危機を、今も世界は抱え続けていることに改めて恐怖を覚える。ＢＢＣ製作の人類必見のドラマだ。
