Filmomo

生れながらの無宿者のFilmomoのレビュー・感想・評価

生れながらの無宿者(1958年製作の映画)
4.5
①富豪の鉱山主が凄腕のガンマンに消息不明の弟捜しを依頼する。ガンマンが最後の手がかりの地であるメキシコ国境付近の村へ行くが人々は口を揃えて10年前にその男は死んだという。なのにどこに埋葬されているか誰も知らない。明らかに町ぐるみでその男の消息を隠していると感じたガンマンは埋葬場所を探しに行くが危険が迫るという探偵映画的西部劇。②主演のジョック・マホニーがかっこいい。黒づくめの装束が『ウエスタン』のヘンリー・フォンダを思わせる。ジョック・マホニーはサリー・フィールドの義理の父親。スポーツとスタントマンの仕事で鍛えた肉体を武器に、60年代にはターザンも演じた。Aクラスの俳優が出演せず、ロケ中心のいわゆるユニヴァーサルの低予算映画だが、かちっと全体がまとまっていて、非常によく出来ている。私はただバジェットが大きいだけの映画より、低予算で様々な工夫をして面白く作りこまれた映画が好きだ。③また、この映画は締めくくりがとてもいい。西部劇のラストシーンは決闘と相場が決まっているが、この映画の場合、決着のつけ方が伏線回収になっているし、主人公の最後の選択がいい。西部劇のフォーマットで‟Something Different"を追求した製作者たちの思いが感じられる逸品。
Filmomo

Filmomo