ありきたりな物語ではあるが、サントリーのコマーシャルで有名になった可愛いペンギンで描くにはハードな戦争シーンから始まる戦傷兵の恋物語。

聖子ちゃんの大ヒットソングのオンパレードです。

YouTubeにあるようです。

勝手にfilmarksデビュー2周年記念レビュー。

帰還兵の戦争後遺症を描いた、世界的にも珍しいアニメーション映画ではないでしょうか。

デルタ戦争の激戦区で仲間を失いながらも帰還兵として故郷へ戻ったマイク。
心身ともに大きな傷を負った彼は、ヒーローに祭り上げられ戦場での武勇伝を期待する家族や周囲の人々に耐えられなくなり、街を出る。
放浪の旅の末にたどり着いた小さな街レイクシティで図書館員として暮らし始めた彼は、美しい歌声を持つ少女ジルと出会う…。

冒頭から激しい戦闘シーンに度肝を抜かれる。
姿の見えない相手に銃を撃ち続けるのも、ヘリからの爆撃で吹っ飛ばされるのも、すべてペンギン。
これがデルタ戦争なのだけれど、これはあきらかにベトナム戦争を描いている。
可愛らしいキャラクターの絵柄からは想像できないけど、これは人間の物語であり、戦争の物語であり、愛の物語。
傷ついた心を愛が癒す。愛こそが人を幸せにする。
All you need is love.という強いメッセージが込められた映画です。

子供の頃に観たときはピンと来なかったけど、大人になってから観なおしたら沁みる沁みる。
戦争というとても重い物語を可愛らしいペンギンのキャラクターに語らせたことで、作品のテーマがより際立って胸に迫ってくることに驚きました。
実写映画と見紛うような演出も渋い。
マイクの声を演じた佐藤浩市さんがまたいいんだ。素朴で抑揚のない語り口が繊細なマイクにぴったりで。
ヒロインの歌姫ジルを演じたのは故・鶴ひろみさん。歌唱シーンは松田聖子さん。
劇中で歌われる「Sweet Memories」がとにかく絶品。いい曲だわ。
元々はサントリーの缶ビールのイメージキャラがこのペンギンで、この曲が使われたアニメーションCMが評判となって作られた映画なんですよね。懐かしい…。

これVHSしか出ていないみたいだけど、リバイバルしたら『この世界の片隅に』並みに話題になりそうな気がする。
やっぱりCMからの派生企画なので権利問題だったり、ベトナム戦争を描いた日本のアニメという題材的にもいろいろと難しかったりするのかなあ。

【ご挨拶】
おかげさまでこちらでレビューを始めてから本日で2周年を迎えました。
いつも皆様方のレビューを楽しく読ませていただいたり、いいね！やコメントをいただいたりと楽しい映画生活を過ごさせてもらっています。
あまり皆さまのレビューにコメントできなくて申し訳ないです。
これからも仲良くしてください。今後ともどうぞよろしくお願いします。

先月から合間を見ながら続けていた「＃動物愛護月間」ですが、今回で一旦終了します。
締めは何を観ようかな～と迷いましたが、こちら！
アニメ！ 笑

皆さんは、昔放送されていたサントリーのCMのペンギンを覚えているでしょうか。
バッグに流れるのは松田聖子さんの「SWEET MEMORIES」。
素敵な曲で大好きでした。
今作は、そのイメージキャラクターのペンギンたちが主役の物語です。

ほのぼの系かと思いきや、いきなり戦争シーンから始まるガッツリ重たい系。
60年代のアメリカン・ニューシネマ風で、オシャレな感じでもありました。

心に傷を持った戦争帰りの男と、歌手を夢見る女の愛と苦悩、そして再起。
なんでペンギン？とは思うものの、なぜか全く違和感なく最後まで観ることが出来ました。

とにかくペンギンのジルが歌う「SWEET MEMORIES」が最高！
まぁ、歌ってるのは松田聖子さんなんですが。笑
何となく『ディア・ハンター』を思い出しました。
そんな感じの物語です。

ペンギンたちが普通に人間にしか見えなかったので、“動物を愛でる” という本来の目的からは程遠い感じになってしまいましたが、ちょっと変わった映画を観たなという満足感はありました。
観終わった後、氷をカラカラさせながら、ウイスキー飲みたくなったな。笑

(缶ビールのCMだったようですが、何となくウイスキーが似合う映画だったので)

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