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『女の暦』に投稿された感想・評価

◎結婚は是か非か問う「二十四の瞳」五人姉妹編

1954年 新東宝 モノクロ 100分 スタンダード
*ホワイトノイズあるも鑑賞に支障なし

これも知られざる名作ではないか。

最近作の今泉力哉監督の『からかい上手の高木さん』(2024.7.1レビュー)でも西方(高橋文哉)が小豆島の中学教師だったが、小豆島と教師を結びつけたのは、何と言っても、壷井栄の原作を最初に映画化した木下惠介監督/高峰秀子主演の『二十四の瞳』(1954年)だ。

本作は、その同年に公開された、同じ壷井栄原作による小豆島を舞台とする小学教師日向クニ子(杉葉子)を四番目とする五人姉妹による「結婚」をテーマとする群像劇だ。

【以下ネタバレ注意⚠️】






もともと小豆島で桶職人をしていた父と働き者の母は子福者であることを喜び、10人の実子に、住み込みの弟子まで我が子同様に可愛がって賑やかに暮らしていた。

その兄弟姉妹も、戦争を経て、半分の5人に減り、島に残されたのは、四番目のクニ子と末娘の実枝(香川京子)だけとなった。

クニ子と実枝は、働いて貯めたお金で、父母の法事を催すこととし、離れて住む姉たちに連絡をとった。

広島に住む長姉の佐伯ミチ(田中絹代)はグータラ亭主万造(十朱久雄)との間に五人の子どもをもうけ、貧乏のため毎日が戦場のような暮らしぶり。

次女の杉江カヤノ(花井蘭子)は、ケチでDV気味の不動産屋の夫作太郎(三島雅夫)との口論が絶えない生活に嫌気がさして、「もう大阪には帰らない」と宣言している。

三女の高木高子(轟夕起子)は、夫が学生運動で刑務所に収監中だが、夫への信頼と夢を捨てず、迷いながらも強く生き抜こうとしている。

クニ子は、こうした姉たちの結婚生活を見て、「絶対に結婚しない」と主張し、久しぶりに再会したミチやカヤノも、「自分だって、クニちゃんのように自立できていたら、結婚なんてしてなかったわよ」と独身生活を謳歌するクニ子を羨ましがる。

実枝は、養豚牧場につとめる石田恭平(舟橋元)と相思相愛で、いつ石田との結婚のことを姉たちに打ち明けるか思い悩んでいる。

実枝と石田が寝そべっているところに、親子の豚が近づいて来たり、実枝が豚の子どもを抱かせてもらって「可愛い!」と言って撫でたりと、ブタ君たちも大活躍する。

‥‥といった具合に、五者五様の「結婚」をめぐる実生活と幸せのあり方の違いを丁寧に描いて見せてくれる。

当時としても、実子10人というのは多産な方だと思うが、5人きょうだいなら、むしろ平均的な家族のあり方とも言えそうで、自分の叔父たちも正月には夫婦連れで祖父母の家に集まって会食していたことを思い出した。

そうした親戚同士の寄り合いの機会が、葬式以外には無くなって、もう30年以上経つだろうか。

本作では、僧侶を呼んでの法事も、クニ子や実枝が住む姉妹の実家で行われていたが、今なら寺や葬儀場で行うのが普通だろう。
「家族葬会館」の類がやたら増えたのも、この十数年来の大きな変化だろう。

日本社会は、この20〜30年の間に、家族のあり方のレベルで、質的に大きく変化してしまったことを、本作を観ながら考えたことである。

面白いのは、小豆島を離れて暮らす三人の姉たちが、ミチは広島弁で、カヤノは大阪弁で、高子は東京言葉で話すこと。
実際には故郷で参会した場合、地元言葉に戻って話すような気もするが、それぞれが郷に入らば、で言葉さえ変わったという表現としては、ありかなとも思う。

豪華な女優陣はみな良く、田名絹代がほとんど汚れ役に近い、疲れ切った貧乏子だくさんを見事に体現し、島に帰って、そこから開放された喜びの表現も説得力があった。

またも「上手い」と唸らされたのが花井蘭子。
手だれの三島雅夫との丁々発止の喧嘩の応酬も見事なら、島に迎えに来た夫に何故かほだされて姉妹や亡父の弟子たちの前でベタベタし出すところまで完璧に演じていた。
やはり千変万化のお化け女優だ。

轟夕起子は、戦前の可愛らしいお嬢ちゃんのイメージから、すっかり落ち着いたふくよかな中年女性に。
学生運動うんぬんと言うには若干トウが立ち過ぎているような気もするが、理想を夢見がちな文学少女らしさも申し分ない。

杉葉子の「おなご先生」(とは本作では出て来ないが明らかに二十四の瞳の姉妹編ないし続編である)は、高峰秀子に比べればスター性には欠けるが、「結婚しない」ことを堂々と主張するのが、この時代の田舎の話としては極めて潔く、最も注目に値すると思う。

大人たちがやたら縁談を持ち込もうとするのは小津映画などでお馴染みのところだが、それが本作では戯画化され、批判的に描かれている。

非婚も含めた多様な女性たちの生き方を、五人姉妹を通じて、具体的かつ肯定的にに描き伝えた、極めて現在的な問題にも通じるテーマを正面に据えた名作と言えよう。

《参考》
*1 「女の暦」で検索
ja.m.wikipedia.org/wiki/

*2 女の暦
1954年6月8日公開、100分
moviewalker.jp/mv23855/

*3 映画収集狂 女の暦
2008-12-28 11:44
sentence.exblog.jp/10103122/

*4 ねこむすめのブログ 女の暦
2013/12/25 21:54
blog.livedoor.jp/kokusaiyuko/archives/8173671.html

《上映館公式ページ》
シネヌーヴォ日本映画大回顧展
新東宝 映画まつり
 Preseted by 新東宝キネマノスタルジア
2024.7.6〜9.6 シネ・ヌーヴォ
www.cinenouveau.com/sakuhin/shintoho2024/shintoho2024sakuhin7.html
4.0
故郷で行われる法事で久々に家族や親族と集まったような感覚が楽しめる秀作。日本を代表する女優田中絹代や香川京子などによる姉妹たちの顔ぶれを見ているだけでも眼福だし、脇役には三好栄子や三島雅夫といった実力派の面々が揃っていて完璧。でもそれでいて結婚問題に悩む四女と五女を通して女性が当時の社会で自立して生きることの難しさを切々と語っている原作のテイストを生かして立派な文芸映画にしているところに久松静児監督の凄さが。

同じ壺井栄原作にして邦画の名作として今も挙げられる『二十四の瞳』と同時期にしかも二作品とも小豆島で撮影されていたという凄いエピソードが、狭い島での撮影なのでいいロケ現場を見つけたと思ったら既に木下恵介の組が撮影しているということがしょっちゅうで急いで別の場所を探したという苦労があったらしい。
末っ子二人の会話が可愛らしくて良かった。戦争の爪痕が残る中、「結婚は幸せか」がテーマ。小津安二郎の作品も結婚を題材にしたものが多いが、この時代は結婚することが当たり前だったし、まわりも世話を焼いて思いっきり干渉していた。

現代とはかなり違うのだけど、やはり戦争で近しい人が亡くなっている場合が多くて、寂しいという部分も大きいように思えた。結婚=幸せではないかもしれないけど、一人でいるのはやはり寂しいと思う。ケンカしたり、面倒なことも多いけど、人のことを考えられる幸せがあるように思えた。自分の気持ちをストレートに話すのは現代と違って清々しく感じた。

小豆島の風景がとにかく美しくて行ってみたいと思った。讃岐や広島、大阪の方言も作品に彩りを添えていたと思う。

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上映日:

1952年10月01日

製作国:

上映時間:

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ジャンル:

配給:

  • 松竹
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