このような隠れた名作が劇場で鑑賞できるから「奇想天外映画祭」 のラインナップは毎年の楽しみである。

原作小説のミシェル・トゥルニェ「赤い小人」は未読である。

先天的にハンディキャップを持った主人公でモノクロのドラマというだけで、トッド・ブラウニング「フリークス（怪物園）」のような露悪的な話だと思われがちであるが、内容は前者とは対照的であり、影や鏡の反射を効果的に演出、大人が読む寓話のように艶めかしく気品があった。

法律事務所で働くリュシアンは小人であるが、身体にハンデがあるからといって特別扱いは望まず頑張り屋であり、彼の眼差しは上司や同僚とは違い誰よりも前向きである。

仕事で知りあった中年婦人とは不倫関係となり、肉欲と嫉妬に溺れていくが、サーカスの興行中に出会った少女イジスとはプラトニックで少年のような恋愛感情が並行していく。これは異性に対する二面性とは少し違うリュシアンの感情であり、この世に生を享ければ生きていく中で彼自身にも葛藤や愛憎を平等に抱くことは当然であるという作者の訴えであり、人間味のある心理描写を丁寧に描いている。（上司の前での自然の摂理は例外だけど。）

見物小屋を舞台にするキッチュさや音楽の雰囲気は、どこかしらフェデリコ・フェリーニの「道」「道化師」の影響を連想させてしまうことはあるが、フェリーニが亡くなった後の映画なので、おそらく監督は彼に思い入れが強かったようで、敬意を表する意味でオマージュをしたのだろう。（フェリーニは1993年に死亡。この映画の製作は1998年。）

伯爵婦人役を演じたアニタ・エクバーグのただならぬ怪演が美しく、眩いばかりの逆光を放つ。

「奇想天外映画祭2023〈Vol.5〉」
［K's cinema 12：10〜］

• #奇想天外映画祭2023
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｢奇想天外映画祭2023｣で見ました🤡
変態フリークス映画かと思ったら美しくも切ない純愛映画やん😍
小人のリシュアンは法律事務所に勤めている。
日頃から小人やから差別されてる。
ある日、仕事で会ったオペラ歌手に強引に迫り情事にいたるからスゴイ。
手足の生えた性器として可愛がられるリシュアン。
それも束の間、振られて傍若無謀になって殺人も起こしてしまうリシュアン。
今までの我慢も限界に達して開き直った様に振る舞うリシュアン🤣
やがて彼は法律事務所の仕事も首になる。
彼はサーカス団に入って、殺人の疑いで逃げるオペラ歌手の元夫のボブを匿う事になるけど、小人が大男を殴る蹴るの逆転コンビは人気者になるんや。
さらに身長制限をかけて12歳の子供達を観客として集める。
今まで笑われる立場のリシュアンが仲間達の笑顔に囲まれて生き生きとしている。
差別されてきた者は全てを受け入れる事が当たり前やない当然お客を選ぶ権利もある。
綱渡から落下した少女を抱き抱えるリュシアンは逞しくもカッコエエ🤩
この恋が永遠であって欲しい💕
モノクロ映像も美しい幻想的なファンタジーでした🥰

典型的な非モテ童貞男性のルサンチマン物語で終わるのかと思ったら、野生のジャバ・ザ・ハットみたいなオペラ歌手のババアに抱かれてイキリ出してでも全然愛されて無くて首絞めて殺して自暴自棄になって仕事サボる様になってクビになって上司の前でうんこして去っていく、の時点でまだ尺半分くらいでこの先どうなるかと思ったら、小人症のアイデンティティを逆手に取りサーカスの人気者になりそこでも自らの天使たる存在を見出し（ガキだけど）逆に長足族の人間達をそこから締め出してユートピアを出現させる革命の映画になってビビる、クラウンの赤鼻が最後には革命の旗印になるのが巧い。長足族のくだりでなんとなくアインシュタイン稲ちゃんの「顎失いし者」を思い出した。仕事辞める時にお前ら全員クソ臭えんだよとブチギレながらうんこしてくのが最高、社会と大人を否定する怪作。