道化師の夜の作品情報・感想・評価

「道化師の夜」に投稿された感想・評価

ベルイマンとスヴェン・ニクヴィストが初めて組んだ記念すべき作品。

序盤のサイレント的シーンは面白かったし陰影のつけ方も流石ではあったが、何か物足りない気分になったのは会話の場面における構図の普遍性故か。

あと字幕を追ってなかったせいか人物の関係性も漠然としか理解できなかったが、台詞が多くなりがちなベルイマンの作品においては登場人物やその関係性は限定的な方が良いのかもしれない。
ryosuke

ryosukeの感想・評価

4.3
美麗な風景描写、陰影のハッキリした室内映像、顔を合わせずに、あるいは鏡越しに行われることでノーカットで映し出される会話シーンなどは、あーベルイマンだなと安心して見ていられる。
冒頭の回想シーンは、こちらに聞こえない発話と大きな音楽に合わせたモンタージュがサイレント映画っぽさ、というかエイゼンシュテインっぽさを感じさせる。手前に大砲を配置する構図なんかもそれっぽい。
決闘シーンの映像も観客の表情を織り交ぜつつのカメラワークや編集が一風変わっていて面白い。ハッセ・エクマン演じるフランスの余裕の表情が憎らしく、主人公の哀れな姿が見ていられない。
裏切った裏切ってないの押し問答をしてピストルを持って怒鳴るシーンのオーケ・グレンベルイは真に迫っており圧倒される。
そのシーンでのアンデルス・エクのピエロらしい困惑の表情も良かった。
当然、若かりしころの、脇毛ががっつり映っているハリエット・アンデルセンのセクシーな魅力も光っていた。
鏡を用いた「自殺」は強い恥の感情と死への恐れのせめぎ合いを的確に表現する素晴らしい演出であった。
nagashing

nagashingの感想・評価

4.0
やぶれかぶれの負け犬っぷりと、ほとんど無根拠でやけっぱちな人生肯定の確かな説得力に泣く。馬車から飛び出たあとの躁的な長まわしが最高。音と空間の豊かな広がりが気持ちいい。冒頭のシルエットが『魔術師』っぽく、ハリエット・アンデルセンが劇場をさまようシーン(緞帳が上がる瞬間の不安感にゾクゾク)も『魔術師』のクライマックスっぽい。寝とられ男の拳銃自殺(未遂)は『夏の夜は三たび微笑む』を彷彿。大逆転しないシビアな『魔術師』であり、シリアスな『夏の夜〜』。重苦しさのピークですべてをかっさらっていく猫の異常な可愛いさが謎。
イングマール・ベルイマン監督の未見作品を観たのは、本当に久しぶり。今年(2018年)はベルイマン生誕100年だったので、レア作品含めての特集上映を期待していたが、全く開催されず、本日この『道化師の夜』を観たのも、京橋・国立映画アーカイブで開催中の「スウェーデン映画特集上映」の1本として…。ベルイマン生誕100年なのに、残念な年であった。

この作品、不思議な雰囲気の映画であった。
スヴェン・ニクヴィストが、ベルイマン監督作品で初めて撮影監督した作品でもあり、この2人の出会いは、この作品以降の多数の名作に影響を与えることになる。

冒頭、あの『第七の封印』の死神たちのラストシーンに似た角度で、下から見上げる構図で馬車の列が描かれる。
馬車の中で寝ている若い女性(ハリエット・アンデション)は、この馬車列のサーカス一座の座長アルベルト(オーケ・グレンベルイ)の愛人である。座長は妻と子供を残して、家を出たのだ。

馬車の中で寝ていた座長が馬車の外に出て座ると、昔サーカスの道化師の妻が軍人たちと海で全裸で泳ぎ、それを止めさせた道化師の男が絶命したという話が描かれる。

サーカス一座が町に着くと凄い雨が降ってくる。テント越しに雨漏り。この一座はだいぶ金欠なことも判って来る。
団長アルベルトは、ひとつの夢を頼りに生きぬいてきたのだ。それは、アメリカではサーカスは尊敬されているということ。
ただ、それは現実的には難しかった。一座はパレードをするが、警官に止められてしまう。
仕方なく、他の劇場に衣装などを借りに行く。

そんなこんな出来事があり、アルベルトは妻と子供の元へ行き、「一緒に住まないか?一座には疲れた」とこぼすのだが…。
また、アルベルトの愛人は、劇場の女好きの男に眼を付けられて、肉体関係を…
といった様々な出来事を経て、終盤、盛り上がりを見せる。

なかなか見応えのあるイングマール・ベルイマン監督作品であった。
こうした作品が、未ソフト化(VHS、DVD等)であるのは非常に勿体ないと思う。
もた

もたの感想・評価

3.5
ベルイマンの映画としては拍子抜けするくらい薄味シンプルなドラマ。『牢獄』がこってりしすぎていたから、ちょうどよかった。若いハリエット・アンデルセンの艶っぽさがすごい。
のん「人生は、恥だらけ。」

馬の顔と車輪のアップ。海辺に足を挫くピエロ。ハリエット・アンデションのわき毛。熱い。劇場を彷徨うシークエンスも素晴らしい。

まぁ映画全体を覆う屈辱感に共感しまくりだったので冷静には見られませんでした。エモさではベルイマン最高峰。継ぎ接ぎの半袖シャツの情け無さ…
ベルイマンの作品の中でも結構辛い。ラストショットの空の明るさに、しがみつきたい気持ちになる。
TOT

TOTの感想・評価

3.2
‪旅に疲れたサーカス団長が妻の元に戻ろうとして断られ、愛人には浮気され。
あぁ人生は辛い。
それでも生きていかねばなりませぬ。
冒頭の道化師夫婦のシークエンスの悲哀が強烈。
鏡の演出は浮気相手の俳優みたいに鬱陶しくクドい。
ベルイマンのミドルエイジクライシスものは勝手にせぇよ一人でやれやといつも少し引いてしまうので、今回も熊を殺すならお前がいけよと思わざるを得なかった‬。
KICCO

KICCOの感想・評価

3.0
ベルイマンですねぇ。



頭を空にして観てたんで大したこと言えなくてごめんなさい。
紫色部

紫色部の感想・評価

3.5
2018.12.9 国立映画アーカイブ

胸熱ベルイマン。腕相撲の対峙は『第七の封印』のチェスの構図へ?自殺しかけた団長が道化師と外に出て語らうシーンの背後で動き回る馬と熊にやられるが、終盤の照明の具合がやや気にはなる
>|