【監督クリストファー・ノーラン】
第５回監督作品
〈見処〉
①原作小説に基づく、サスペンス佳作
・『バットマン・ビギンズ』と『ダークナイト』の狭間に製作されたノーラン第５作。
・クリストファー・プリーストの小説『奇術師』を映画化した作品であるが、脚本はノーラン兄弟が努めており、彼等らしい捻りのある作風は健在である。
・『プレステージ』とは手品における３つのステップ、「プレッジ」(確認)、「ターン」(展開)に続く最終ステップ「偉業」を示している。
②名優2名の激突
・舞台は19世紀末のロンドン。過去の因縁によって競い合う2人のマジシャンの人生をかけた闘いを描く物語。
・対照的な「陽」のマジシャンをヒュー・ジャックマンが「陰」をクリスチャン・ベールが演じているが、それぞれの俳優の持つイメージそのままの配役である。
・ベールとノーラン監督はバットマン２作を挟み３作連続の共作となる。
・作中で何度も入れ替わる名優二人のパワーバランスは大きな見処である。
③ノーランらしさの演出
・ノーラン作品のなかで、最も物語を紡ぐ演出作であるが、ストーリーのなかに散りばめた伏線の回収手法は、『メメント』や『バットマンビギンズ』同様に作品の質を高めている。
・なお、本作は第79回アカデミー賞では撮影賞と美術賞にノミネートされている。
・常連マイケル・ケインや、スカーレット・ヨハンソンのスター俳優に加え、デビット・ボウイやアンディ・サーキスが脇を支える豪華な出演陣。
・注目の最新作『テネット』より良作に感じたのは自分だけだろうか？
