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時計じかけのオレンジのmazdaのレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
4.9
皮肉系映画の中で最も好きな映画。
超暴力で頭おかしい非行青年が政府の治療により全く暴力をしない人間に変わる話。
ヴィジュアルばかり評価されがちな映画だけど中身が本当によくできた映画、話が2転3転するせいで観てる側が本当の悪が何かわからなくなる、まるでこっちが洗脳的な治療受けてるみたい。
結局人間はみんな悪の部分をもってるのだと思う、この作品にでてくる人物で悪が描かれなかった人が一人もいない。
相手を傷めつけることを暴力というならば強制的にアレックス(非行青年)から悪を封じようとしていることが既に暴力。悪を封じるために結局悪的手法を使っている矛盾。
目に見える暴力しか悪と呼ばないのだろうか、アレックスが苦しめられていたと知った途端に急に親ぶる両親もやられたらやり返す精神の被害者も、自分の立場が危うくなったら押しもなくあっというまに引き下がって手を裏返す政府もそれで納得しちゃう世の中も全て悪じゃないですか?
結局悪を悪と判断できないことが一番の悪、無自覚なことが一番の悪。
みんな自分に害がなければなんでもいいって人ばかり、自分に影響がなければ世の中なんでもいい、全てに情をもてなんて無理な話だけど、あらゆる残虐な話は時間がたてば全て風化されて結局自分の身に起きない限り感じれないその心が、誰しもがもつ悪だと思う。
いつ見てもぶっ飛ばしてる強烈な新しいものビディーしてるって感じ、本当にすごい。
彼等の全身白のつなぎ風に着てる白シャツとパンツにサスペンダー、黒のボーラーのコスチュームが映画至上最も好きな衣装です。
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