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終わらない青のminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

終わらない青(2009年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

ドメスティックバイオレンスで家庭を支配する父親に怯え、母親も助けてくれないため、ヒロインは父親に従順に波風を立てないように生きている。高校三年生の夏、彼女は自分が妊娠していることを知る。お腹の子どもから愛情を感じたヒロインは産みたいと願うのだが…という話。

Netflixで比較的短時間の作品を探していた時に見つけて鑑賞。

寝る前に気軽な気持ちで観たのだが、あまりに絶望的なストーリーと痛々しい描写の連続に眠気が一気に冷めてしまった。
かなりの尺を取っているDVと性的虐待の場面がおぞましくて目を覆いたくなる。シーンの切れ目で必ず一瞬暗転する演出が不穏な空気を醸し出していた。父親のキャラクター造形が気持ち悪く、食事の前に必ずフォーク類をティッシュで拭う潔癖症な部分や、妻と娘には高圧的であるのに仕事先の電話や隣人相手だと卑屈なまでに腰が低くなるところに嫌悪を感じずにはいられなかった。あとクラスメイトや教師の無機質な描き方が不気味だった。
愛されずに育ったヒロインが初めて感じる愛情という大きなテーマがあるのは伝わるが、それが全く報われず、破滅的な結末を迎えるのため、人には全くおすすめできない作品だが、衝撃作ではあった。
悲惨なラストシーンのロケ地がかつての通勤経路だったのでビックリ。
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