カルト的人気を誇るフィリップ・リドリーの初監督作品!!
アメリカの田舎町を舞台に、人の内なる狂気や不条理を美しく幻想的な映像で綴った作品。
非常に不条理文学的で残酷な内容ですし、しかも"子供の妄想を大人の現実が打ち砕く"という物語の構造自体もなかなかエグい。
また、イギリス人監督のフィリップ・リドリーだからこそ描けたであろう、過剰なまでにアメリカン・ゴシックな世界観(しかも、撮影地はカナダらしいです。笑)を作り出す、絵画的にバシッと決めてくる構図や〈ギュイーン〉と、ズームイン・ズームアウトするカメラワーク。
また、何かと主張してくる音楽等々。
多少の"やり過ぎ感"があるので、そういった部分で観る人によって、かなり好き好みが分かれてしまう作品かなーとも思います。
ただ、個人的にはこの過剰な部分も含めて非常に好みな作品でしたし、父親が読んでいた「吸血鬼」の本による示唆など、物語として割りかし直接的に表現しているのも分かりやすくて、良かったのかなと思います。
そう言った点ではやはり、本作の持つ"美しくも残酷な哀しみ"が集約され、ストレートに表現されるラストでの"少年の慟哭"は圧巻でした!!