低予算でありながらも大ヒットを記録した「ハロウィン」のジョン・カーペンター監督が次に世に送り出したのが1980年制作の「ザ・フォッグ」。

100年前に島民によって無残にも惨殺された船員の怨念が蘇り、不気味な霧の中に身を隠して島民を次々と襲う・・という、典型的なゴシックホラーではありながらも、当時のFX技術でどうやって作り上げたのだろうと思わせる程の、まるで意思を持ったかのように海上からやがて島全体に漂う、タイトルの'霧’の描写が非常に見事だったと記憶している。

そんなマニアックな作品を25年後にテレビシリーズ「ヤング・スーパーマン」で一躍テレビのスターダムに駆け上がったトム・ウェリングを主演に迎えてのリメイク。

余談ではあるが、2000年代は、やはり人気テレビシリーズ「スーパーナチュラル」のイケメン兄弟役のジェンセン・アクレスがカナダ映画のリメイク「ブラッディ・バレンタイン3D」に、ジャレッド・パダレッキが「13日の金曜日」にそれぞれ主演するなど、テレビシリーズの若手男優スターがそれぞれメジャーホラーの作品として出演を果たした時代。「ER」の小児科ドクター役であった、今やハリウッド界のトップスターの一人でもあるジョージ・クルーニーの映画主演デビュー作も「フロム・ダスク・ティル・ドーン」だったので、テレビと映画の垣根が高いアメリカのテレビスターの映画デビューの登竜門としては、まずはてっ取り早くヒットしやすいホラー映画って選択があったのかもしれないな。


にしても、この作品は、一体、何でこんな締まりのない出来上がりになってしまったんだか・・。

複数の登場キャラクターの描写が浅くてバラバラな印象を受けるし、そもそも、トム・ウェリングの役どころも主演である必要があるか？と思わせるくらい作品内の活躍ぶりを見ると弱すぎる。彼のガールフレンドの役どころのエンディングも、ちょっと強引過ぎ・・。

オリジナル版は、一応、当時、ジョン・カーペンターと新婚ほやほやであったアドリエンヌ・バーボが演じる灯台のラジオDJをヒロイン設定にしながらも、「ハロウィン」から連続出演のジェイミー・リー・カーティス、彼女の実の母親でもある「サイコ」の余りにも有名なシャワーシーンの被害者ジャネット・リーの母娘共演、ハル・ホルブルック、トム・アトキンスといった重鎮がしっかり脇を固めており、ヒタヒタと迫り来る謎の光る霧の恐怖の演出が絶妙であった。

特に上手い演出だと思ったのは、極力、亡霊の姿はシルエットでしか見せず、クライマックスの灯台でのヒロインとの格闘の時に朽ち果ててウジが湧いた顔をどアップで見せるというのは、子供心に相当ショッキングであった。

このリメイクでは、話の持って生き方が単調で、いわゆる、クライマックスシーンというものが無いってのがとにかく勿体ない。

霧の演出も、霧というよりも激しく吹き付けるスモッグのような感じで、オリジナルの「光を放つ妖しい霧」という設定を、余程FX技術が発達した2005年の制作であったにも関わらず、オリジナル版よりもむしろチープに見えてしまった。

そして何と言っても、結構冒頭から怨霊の顔をガンガン出してきて、それがまた、「ゴースト・オブ・マーズ」そのまんまじゃん・・って思っていたら、何とジョン・カーペンター自身がプロデューサーに名を連ねていたという・・。よくもまあこんな駄作で自身のオリジナルを台無しにすることOKしたもんだ。

　ジョン・カーペンターのザ・フォッグリメイク！旧作と比較して観るとまたおもしろいよ！

　ジョン・カーペンター レトロスペクティブ2022の1月9日新宿武蔵野館にて上映されるジョン・カーペンター版「ザ・フォッグ」のトークイベント、ジャガモンド斉藤と出演しますのでお時間ある方きてねん！

　あんこぶつけたろか！

Netflixにて配信開始‼️

80年代ジョン・カーペンター作品のリメイク

96時間シリーズの娘役マギーグレイスヒロイン。
オリジナルでは主役だった海辺のラジオ局DJがヘルボーイのセルマ・ブレア。

平和な街の100年前の事件の恨みが霧とともに帰ってくる的な話。恨みは良いけど、子孫たちに罪はないだろ、とこういうテーマ見ると矛盾を感じる。

ヒロイン、思ったより良かったが、セクシーが中途半端、🚿🛌こういうシーンやるなら徹底して欲しかった。
シングルマザーのセルマ・ブレアがTシャツパンいちで寝てる方がセクシーでした。しかし息子の前であの姿で寝るんかい。

ラストはどんでん返しというか見たことないタイプのシーンでそれなりに見所あり。

怖くないので気楽に見れます。