『劇画タッチではあるんだけど、どう楽しんでいいのか』

【過去作レビュー】
1970年の、東宝ニューアクションの第三作らしいです。何がニューなの？　確かにニューオータニが舞台ですが。
（WOWOW録画を鑑賞）

某国王が亡命途中に日本に立ち寄るので警護を任される射撃名手の刑事加山雄三（まぁ似合わない。若大将だもんな）。
国王を狙って派遣されるクールな殺し屋田宮二郎。カッコいいんですが、いきなり傷心の外国人女性をたらしこめるとか何なんでしょう。
物語のリアリティは皆無ですが、おそらく当時ブームの劇画タッチなんだと思います。当時観た人はどんな感じで楽しんでたのかな。

個人的に、昔の映画のロケで出てくる東京の情景を見るのが大好きです。本作でも、建設から日が浅いホテルニューオータニを堪能できるのを始め、名建築で有名なパレスサイドビル、さらに新宿東口近辺（アルタはないけど二幸がある！）とか、なんと靖國神社の参道でのアクションシーンとか観られて至福です。

お話は、結局二人の対決に進んでいくんですが、なーんか、あくまで作られた劇画フィクションとして楽しんでいればいいのかと思ってたら、唐突な反戦メッセージが入ってきたりして、え、リアル路線？　受け止めきれない。

（当時のロケ以外）素直に楽しませてくれない作品でした。

なんかもっちゃりした加山雄三が見れる。ユウゾウに寄せている。田宮二郎とライフルって、その後を考えると感慨深い。前２作と比べるとサイケなヒロインでなくニヒルな加賀まりこ。濡れ場は外人と田宮二郎で加山雄三は、張り切らないなぁ。ラストの撃ち合いは迫力がないなぁ。

• #豹(ジャガー)は走った
• #加山雄三
• #田宮二郎
• #加賀まりこ

加山雄三vs田宮二郎の二大スターの行方が気になりすぎちゃう西村アクション劇だが、正直微妙。ジャガーは走らず、新しいアクション作品をつくろうとする意気込みだけが走った。
ビルの屋上での初対峙のスローモーション＋無音撮影はスタイリッシュで良かった。70年作品だと加賀まりこの美女加減はさすがに薄れてたし、田宮のネイティブすぎる英語もなぜか鼻に付く。もう一本の「狙撃」はメリハリの効いたサスペンスの名手堀川なだけにそちらを必見。

• #2018〜