狙撃の作品情報・感想・評価

狙撃1968年製作の映画)

製作国:

上映時間:86分

ジャンル:

3.7

「狙撃」に投稿された感想・評価

金塊の横取り作戦に加担することになった狙撃手(加山雄三)が、恋仲となったモデルの女性(浅丘ルリ子)を敵対組織との攻防戦に巻き込んでしまう。日本映画初の「実銃描写」を実現させているアクション映画。

一部のライフルは実銃だが、拳銃は精巧に作られたモデルガンを使用。そして流麗な所作で拳銃を操る場面では、銃器専門振付師の第一人者・国本圭一がボディダブルを務めている。

本作の主人公は、銃撃の緊張感にアイデンティティを見いだしている狙撃手。一挙手一投足が真に迫っており、とりわけ左肩のホルスターから左手を捻りながら銃身を抜くというアクションが身震いするほどカッコいい。「拳銃=男性器」の比喩を潜ませているあたりもさすが。

登場人物ではリー・ヴァン・クリーフのような渋さを醸し出している敵役・森雅之と、ガンショップ店主の岸田森が絶品。鈴木清順や石井輝男の二番煎じの香りがあるけれど、イタリアのギャング映画、マカロニ・ウェスタンのエッセンスを適度に混ぜ合わせた、意欲作としての完成度は高い。
otom

otomの感想・評価

4.0
ちょっと駄目になった『殺しの烙印』みたいだが、そこは流石の東宝作品で話は大して面白くないのだが、凝りに凝りまくった映像で思わずギャフンとなる。原住民コスでノリノリの加山と見所多数。良作。
mingo

mingoの感想・評価

3.9
東宝ニューアクションの記念碑的初期作にして銃マニア発狂の本格アクション。流石は堀川弘通。漢字2文字の水色のタイトルバックがセンス良し。加山雄三はじめてかっこいいと思った作品になったわけだが、海外に影響を受けた原色を使った衣装がハンサムには似合う。加山に対するは最強の早撃ちスナイパー名優森雅之。「夜明けのうた」から3年後の浅丘ルリ子はまだまだ瑞々しさとエロスも充分。ニューギニアの世界最大の蝶に魅せられた彼女だが、時折挿入される演出がまた活きている。2人して部族の格好して狂ったように踊るのには笑った。ラストの砂浜から海に走って撃ち合うシーンはもっと語り継がれても良いレベルでイカしてる。イカロスみたいに太陽に向かってはいけない、背を向けなくては。
有楽町のあそこのビルから、走る新幹線への狙撃ではじまる。浅丘ルリ子森雅之岸田森、脇が素晴らしすぎて霞みそうだけれどかっこいいぞ加山雄三。そつなくナルシシズムな世界をがんがんキメてくる堀川監督。終始ニヤつく森雅之の持つモーゼル銃がカッコいい。
矢作俊彦の名作小説『ららら科學の子』で、主人公が国外逃亡する前に最後に観た映画としてたびたび回想されていたため、ずっと観たかった映画でした。
加山雄三はもちろん、森雅之がかっこいいのよ。ほんと。カッコつけっぱなしが成立しているのがすごい。AKの音がヘンな気がする。
ysak

ysakの感想・評価

3.9
少し饒舌だけど、全体的にとてもゴルゴ。漫画の連載開始とほぼ同じ頃の映画というシンクロはとても興味深い。サイケ描写も劇伴も衣装や美術も好みだし、実写ゴルゴより全然おもしろい。裸コンゴシーン謎だけど、名作。
銃、車、時計。
ディティールだけで楽しめる映画を作れた時代が我が国にもあったんだな。

加山雄三の土人メイクで時が止まる!ヤベェ!


特典映像の銃殺陣師、“世界の”国本社長(ウエスタンアームズ)のインタビューは今作の邦画史的価値をブーストしてる。
シリアスなストーリーながら、本と演出の馬鹿々々しさがツボに入るお気に入りの作品♪
今でも、日本で生産されたスポーツカーの中で最も美しいフォルムだと思い続けている【トヨ2】が走る姿を存分に楽しめる(コンパネまで映し出してくれる)。
浅丘ルリ子さんのコレクションは、「コレクター」のテレンス・スタンプに負けてない。
木登りカンガルーの存在を知ったのも本作だった気がする。

このレビューはネタバレを含みます

この映画、実は相当変わっている映画だ。

やかましい女をヤリ捨てする雄三からの、ひび割れたタイトルバック。なかなか決まっている。
次の瞬間、ただ射撃場で会っただけの浅丘ルリ子と凄まじいまでの速度でいい感じになる。
デートコースたるや日本にこんな場所あるの?というオシャレさ。家具やインテリアも時代を感じない。
日本的な風景やエピソードを無くし、どこか浮世離れしたハードボイルドが展開される。
その割に銃器描写には異常にこだわっており、もはやバランスのバの字も無い。

ルリ子と雄三のベッドシーンでは変な蝶や謎のアフリカ部族の映像がフラッシュバックして不気味。
ホテルで合流したルリ子が「2人きりね」とか言いだすので、てっきりおっぱじめるのかと思いきや、突如部族の扮装をしてリンボーダンスパーティ(2人)に興じるなど、全く理解し難い描写が続く。
経緯はよく解らないのだが、いつのまにか森雅之演じる殺し屋(なぜかいつも外人の愛人を連れている)に襲撃されるようになっている。
本作の森雅之は、常に紳士的な笑みと物腰で淡々と殺しを実行する。碌に喋らない癖にかなり印象的だ。
そして藤木孝は相変わらずの怖さ。そんなに悪い役でもないのに。

ラストは森雅之との現実味のない不思議な対決。死に方も不気味だ。
「俺は生きる。俺は殺す。破壊者の力を狂喜して使う。」と、カミュを引用して終わる。
この引用にも全く脈絡がないのだが、ここも中々格好良いのだ。
こんなに無茶苦茶でダサい映画なのに、ところどころマジで格好良くてなんか悔しい。
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