700mark目には何がいいか考え、『パリ、テキサス』にしました。この映画、好きなんですよねぇ。
カット回数628回(見入ってカウント忘れが多かったかも……)でした。
序盤の雄大で透明感のある景色、静かで落ち着きのある空間。画面を見ていて、ゆったりとした気持ちになれます。
最大の特徴は、見事なまでの長回しの多さです。
人物のクロースアップとクロスカッティングの組み合わせも多いのですが、それはあくまで長回しの合間に挟まれる要素の1つという感じです。
鳥瞰なエクストリームロングショットは最高の景色を映し、それを途切れぬ長回しで見られるのは最高です。
この長回しの中で、さ迷い歩く男トラヴィスと、妻子との再会と別離を描きます。
染み入るようなギターの音色。
淡々としながらも、どこか悲しみを滲ませるモノローグ。
印象的な包容と、無言の別れ。
ヴィム・ヴェンダース監督の傑作ロード・ムービーです。
本当に、とても好きな映画の1つです。