暴力がそこかしこに、これでもかと散りばめられていて。
しかもそれは家族や職場という小さいけれど濃い世界で繰り広げられる。
主演のサンフンが監督と脚本も担っていることを知ってから観たので、なぜこれを描くのか、と意味を何度も考えさせられる。
暴力が暴力を生み、その先には破滅しかなくて。
どこかで断ち切ろうとするには、ものすごいエネルギーがいる。
そのエネルギーを生んだのが人と人との関わりと愛情で、でもそこにはまた隠された暴力が潜んでいるのか、と答えがなかなか見つからない。
サンフンの凶暴さの中に、時折不器用に見せる優しさが人間味があふれ胸が詰まる。
女子高生ヨニが身の上話をしない強さにも、涙腺やられた。
人間って変われるんだと希望も持たせてくれる。