自主映画臭さは程々に抑えられかと言って商業らしいわざとらしさはまるで無く、この言葉を使うのはちと恥ずかしいがあまりにもリアルで等身大な、短かすぎる幸福な三角関係の終焉について。ひたすら絶妙なショットと台詞回し、確かにこの時代の吉祥寺周辺を取り巻く空気感が梱包されている奇跡的なフィルムの様な気がしてならない、あの劇場は在し日のバウスシアターか？そもそもが限定的な関係であるのは分かっていても、終わりが来たと言うか彼が帰って来て「しまった」後のあの瞬間的な躊躇いからの「さて、もう一度始めよう」に心臓を撃ち抜かれた、あれはずっちーよ…。確かにエドワード・ヤン、なんかすんげいもんを観たけど私の手に負えるもんではない。

う〜ん
さすがに評価高すぎでは？
何がそんなに良いのか分かんなかった

• #2024ofあー

気軽に世界のどこへでも伝達手段がある現代には決して撮れない、刹那的な三角関係が描き出すなんだか冴えない空気の共有がたまらなく良い。このローカルに映る環境の中で、何気ない寄り添いとくだらなさが生み出していく化学反応は、フィルムの質感も相まって、実に楽しそうな忘れがたさがあり、ささやかながらも恵まれた人間の営みを予感させる。直接的なことが特に起こらなくても、何となくごく自然に互いに歩み寄っていく様は明らかだし、このナチュラルなフィーリングが羨ましく思える。ほのかに全体に漂う男女同士の渇望のサイン。アナログに縋ることしか出来なかったこの時代を象徴するような人間模様を、鋭敏に切り取っていてセンチメンタルに駆られる。