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僕の無事を祈ってくれのryosukeのレビュー・感想・評価

僕の無事を祈ってくれ(1988年製作の映画)
3.1
場面転換の前に入る必要性の感じられないナレーション、人物が驚いた時のクソダサい効果音、アクションを省略する手書きアニメーション、悪徳医師の踊り場での謎ダンス等々ヘンテコな要素に満ちた作品。そういえば定期的に時間が表示されていて、語り手に注目を促されたはずだが、なんか意味あったのか?
異常にテンポが悪く、それに何の必然性もない感じで正直うんざり。ほぼ何も起こらずただダラダラするだけのシーンが連続し、大して美的でもないのでどう見れば良いのか分からない。題材的にはB級クライムアクションのはずなのだが、それでも長回しを多用しゆったりしたテンポに調理するのがソヴィエト流なのだろうか。どうせ質が低いならさっさとアクションやってくれればまだ見られるのだが、めちゃくちゃ引き伸ばした後にしょぼいアクションが一瞬行われるだけという悲しさ。
これ本当に81分だったのか...?めちゃくちゃ長く感じたけど...81分という上映時間は紛れもなくB級のそれだが、B級の美徳である簡潔さや効率的な叙述とは対極を行く映画だった。
ヤク中の彼女がいる部屋から、回転する照明が作り出す影がはみ出してくる描写はなかなか異様な良さがあったかな。
「僕の無事を祈ってくれ」はラストの歌の中に出てくる言葉なのだが、これは主人公から観客への呼びかけになるのか?謎のメタ視点。
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