horahuki

ヘルハウスのhorahukiのレビュー・感想・評価

ヘルハウス(1973年製作の映画)
3.9
「幽霊」という名の心的牢獄

勝手にクリスマスホラー④
正統派の流れを汲む古き良き幽霊屋敷映画の超有名作。めちゃくちゃ好きなやつ♪こういうのが見たいからホラー見てるまである!!死人を出しまくった激ヤバ幽霊屋敷に、物理学者と霊媒師という両視点から調査&解明をしようとするオカルトvs科学な展開!

内容は、調査依頼を受けた4人の男女がヘルハウス(地獄邸宅)と呼ばれる幽霊屋敷に12月20日〜24日までの期間住み込み調査をするというもの。クリスマスが題材というわけではなく、あくまでも舞台となっているだけなのだけど、曜日が今年と完全一致してるのが我ながらタイミング良かった!もちろん偶然だけど😂

『呪いの家(1944)』、『たたり(1963)』の流れの下流に位置する作品で、幽霊は確かな存在感はあれど実際に姿を見せることはなく、「幽霊屋敷」そのものを登場人物の内面を発露させるための装置化させているのがわかる。

幽霊がいるのかいないのか→死後の世界はあるのか?な形而上学的な命題に対して、幽霊を全否定する物理学者と肯定する霊媒(パメラフランクリン)の口論をきっかけにそれぞれが仲違いしていく。屋敷の幽霊はそれぞれの内面に合わせた方法でアプローチしてくるのだけど、それ故に内面を照らし出す鏡となる。

幽霊が…とか死後の世界が…とかの命題自体に答えがないために、それぞれが自分の見たいように幽霊を見る。霊媒師は若い男の幽霊を感じ取り最終的にはレイプされる。彼女の寝室が真っ赤な色彩に覆われていることや、決まって寝室で怪奇現象に見舞われることからも彼女の深層が垣間見えるし、その若い男の存在に固執していくことで抑え切れない深層が表に漏れ出てきたかのように狂気が芽生えてくる。

そして物理学者は、幽霊の存在を科学的に解明のできるエネルギーだと主張して神秘性を剥ぎ取ろうとするのだけど、その科学的傲慢さからは奥様への日頃の対応が見え隠れしている。寝室での夫婦の描写、致してる男女の影を見つめる奥様、そして若い男の背後でボヤけている奥様が俯く序盤のショットからもそのことを匂わせている。この辺りはアイラレヴィン原作の『Weird Woman』『Night of the Eagle』からの影響が大きいのでしょう。

だからこそ幽霊自体も自身の深層を隠し続けていたわけで、その一方で向き合って苦悶(魚眼でののたうちまわり等々)するという真逆の姿勢をとった彼の覚醒へと繋がっていく。そんなことより、幽霊に対して「お前の母ちゃんでーべそ!」レベルのクソみたいなディスりでメンタル削っていくとこサイコーに笑ったし、実際にクリティカルヒットしてるのも笑った🤣幽霊と遭遇したら、とりあえずディスるのが効果的なようです。物理効かないもんね!メンタル責めるのは確かに合理的な気がする!😅
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