Angie

サスペリアのAngieのレビュー・感想・評価

サスペリア(1977年製作の映画)
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違和感こそホラーの醍醐味

そのメロディ、印象的に鳴り続ける。いいメロディではない。不気味でぞわぞわする。追いかけてくるような旋律。

スタイリッシュな色使い。普段の映画なら感心してしまうところだが、この映画におけるスタイリッシュさは別の意味を持つだろう。どぎつい色使いに不自然さを感じてしまう。フランス映画の色使いより濃い。そして印象的な赤い壁。赤が続く廊下に、べったりとした鮮血。血の赤はチープで絵の具のようだったが、そこがまたいい。この映画の色使いのトーンとあっている。

話にはびこる違和感。先生たちの誇張されたキャラクター、不思議な友達、主人公のスージーだけがまとも。ネタバラシは精神科医によってあっさりとされてしまうのが少しもったいなかったのだが… 話の展開としては、控えめなストーリーにテンポよく挿入される殺人シーン、そしてクライマックスのスージーの冒険アンド戦いはまたB級感あふれる手法でいい。あまり上手くないスージーの演技と顔のドアップがまたいい。そしてあっさりとエンドクレジットが始まる潔さもいい。クライマックスから突き落とされるかのようにして、観客は映画館を出るのだ。
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