主人公の癪に触りまくる人物像がすさまじい…すごいリアリティだし、どこかでみたことあるし、一見するとサクセスストーリーなのに実は超ホラー。
足を踏み外したときの深淵の深さ。
そしてロモーラ・ガライの秀逸な演技力!ひとつひとつの表情がホンモノのソレ感強くハラハラさせられた…素晴らしい女優さん。
自己顕示欲とおそろしい程の理想の高さをバネにサクセスし、自分の力で全て手に入れた主人公のガッツは素晴らしい。
「パラダイス」の豪奢なインテリアたちや美しい衣装の数々も見どころ。ロモーラの服装は、ロココからゴシック服へと変遷していき楽しめます。
上流の言い切れぬ天然のオーラに圧倒された瞬間に、彼女がみすぼらしく映り出し、本物の「パラダイス」には叶わないのが悲しすぎる…小説のセリフ当て書きのラストシーンからのカメラワーク。
ヤバイ男に心底傾倒してしまう一部の成功した女性の心理、ってどうなってるんだろう…なかなかに容赦なかった。原作者のエリザベス・テイラーっていう名前もなかなか香ばしい。