「ルルの時代」

冒頭、赤子の描写。幼女時代の記憶、夜の街を彷徨い幻想的な性の世界に溺れ行く少女の心、兄の友人、ライブ、好奇心、孤独、飢餓感、甘美な体験、刺激。今、普通の愛に満足できなくなる1人の女性を映す…本作はアルムデナ・グランデスのベストセラー小説を原作に、スペイン映画界の異端児ビガス・ルナ初期の代表作をこの度、DVDを購入して初鑑賞したが、これが後にペネロペ主演に迎えた「ハモンハモン」や「おっぱいとお月さま」を監督する人物なのかと思った。

主演はフランチェスカ・ネリーである。「ハモンハモン」にも出演していた、今ではオスカー俳優でペネロペの旦那さんとしても有名なハビエル・バルデムも出演している。

さて、物語は主人公ルルは兄の友人パブロに憧れている。ある日、パブロからライブに誘われた彼女は性の好奇心から誘われるままにベッドへと導かれる。それは愛に飢え、孤独だった小さい頃の飢餓感を全て忘れさせてくれる体験だった。しかし、次第にルルは刺激を求め始めてしまう。普通の愛に満足できない体になっていく。そういった中、愛情に溺れ快楽を求めるルルの日常が映し出される。



本作は冒頭に生まれたての赤ちゃんの描写が映される。赤子のおまたにパウダーをかけるフレーム、細やかなメロディーとともにまるで天国にいるような演出が施される。続いて、セピア色の画作りで、1人の少女がベッドの上で寝ている所を母親に起こされる。そして物語は進んでいく。カチューシャをしたショートの女性が音楽会に行けると大喜びする。カットは混雑するライブ会場へ彼女の兄貴の友達と行く。

2人はジントニックを頼み、テーブルにつき彼女はケーキを食べ2人は話し合う。夜、土砂降りの中急いで車の中に入る2人、彼女はもう帰るの?と男性に聞き、男性は彼女のスカートの中に手を入れ手淫しながら接吻する。今度は女が男性のアソコに手を置き、男はベルトを外し準備を整える。女はフェラをしようとするがやはり拒む。彼女の名前はルル。

彼女は車の中で泣いてしまう。カットは変わり、室内へ。ソファーに座った男が彼女に向かって服を脱げと言い、ルルはパンツを脱ぎ、靴を脱ぎ男の膝に座る。(そこでは会話が始まる)。男は彼女の股を開き、陰部にクリームのようなものを塗り始める。彼女は嫌がっているが、男性はあそこのアンダーヘアをカミソリで剃り始める。そして2人はソファーの上でセックスをする。

続いて、ルルの親友に昨晩パブロとセックスをしたことをキャンパス内で話す。親友は驚いた表情を見せる。そしてパブロがアメリカに行ってしまうことを伝えられ、彼女は自宅で大泣きする。そしてCarlos SegarraのBuscando Tu Luzが流れ、彼女の日常生活が映し出されていく…と簡単に説明するとこんな感じで、男を欲望に愛した女のストレートな映画だ。




やっぱりスペイン映画って破廉恥すぎる。とにかく凄い描写のオンパレードだ。ゲイ、レイプ、女装と強烈な汗臭いショットがある。なんだろう… 一部ホラー映画みたいだ。監督はとりあえず性欲のファンタジーを撮っているような気がするのだが、というのも画面に出てくるのはおっぱいやお尻、そしてエッチの描写が絡み合っている。この人が目指そうとしている路線が個人的には無理だ。どうしても好きになれない。まず物語に面白みが一切ない。

セックスを自然の1つにして、それがファンタジーであることを強調しているような作品なのだが、まず退屈だ。それとこの作品から個人的には何一つ得るものがなかった。官能的な映画は基本的に嫌いでは無いが、俺が求めてるフェロモン感は無い。それにしてもタイトルの"ルルの時代"とかよくもこんな可愛らしい題名をつけたな。 一歩間違えたらピンク映画だぞ。

この映画特に女性が見ていると胸くそ悪いだろう。何故って親友に近親相姦させてしまうんだから。女に目隠しをしてその間に性行為をしていて途中から入れ替わってキスなどセックスなどをしてしまうなんて最低最悪だろう。この作品で唯一成果が得られたのは(個人的に)ハビエル・バルデムがこんなクソ映画に出て、下積みをしていたって言う事実が知れた事だ。それとどうやら彼の母親もSMクラブの受付人としてカメオ出演しているらしい…

とにもかくにも今回購入したBOXの中では1番最低最悪な映画だった。もう二度と見る事は無い…。

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