シズヲ

皆殺しのジャンゴ/復讐の機関砲(ガトリングガン)のシズヲのレビュー・感想・評価

4.0
いつの間にかレビュー200作目。主役の名前がまんまジャンゴ、配役もフランコ・ネロそっくりのテレンス・ヒル、泥濘だらけの街並み、そしてガトリング。どっからどう見ても「続・荒野の用心棒」が元ネタのマカロニ。実際本当に続・荒野~の続編として企画されていたらしい。単なる亜流コピーっぽい雰囲気が漂うけど、蓋を開けてみると何だかんだで面白く出来上がってる。

オープニングのマカロニらしいアニメーションと情熱的なテーマソングでまず高揚させられる。本編中のBGMもかっこいいんだよな。話運びや場面転換の粗雑さは目立つものの、テンポそのものはそこまで悪くない感じ。派手で印象的なアクションシーンも多いだけに娯楽作としては十分楽しい。満を持して出てくるガトリングも予想の範疇ながらやっぱり無茶苦茶でブチ上がる。絞首刑吏で死人の集団を率いるジャンゴを始め、登場人物達のキャラクター造形も面白い。かつてはジャンゴの友人だった怨敵、貧困から行動を起こした裏切り者など、いずれもなかなかキャラが立っていて印象に残る。

流石に「続・荒野の用心棒」みたいな圧倒的死臭は無いけど、マカロニとしては普通に面白い作品。クールな主人公あり、かっちょいいBGMあり、派手なアクションあり、奇想天外兵器あり、ボコボコのリンチあり……マカロニの要点を見事に押さえつつ、そこそこ良質に仕上がっている。粗っぽくて拙い部分もあるけど、解りやすく楽しめる佳作なのだなあ。
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