ブラックホールの配信生活の回で高橋ヨシキさんが今観るべき映画だとオススメしていたので鑑賞。おれもサタニストの端くれなのでヨシキさんのオススメはチェックする義務があるからな😈

確かに今観るべき映画だ。

工場勤めの男フランク（妻子ある青年）は空いたポストに「人望もあるし勤続年数長いから次の職長は俺やな😏」と昇進を確信していたが、なんと、ポーランド移民の若僧が職長の座に！この若者、勤勉で機械に詳しいことで工場の効率化に貢献したことが人望と年数のフランクより評価された。公平な査定。
しかし、己のプライドと周りへのメンツで憤懣やる方ないフランクには不公平な人事に思えた。そんな時に家のラジオから「真面目なアメリカ人がずる賢い移民に仕事を奪われてる」「真のアメリカ人のためのアメリカを取り戻そう」というお決まりの愛国を装った差別主義極右政党の演説が流れてくる。それに共感したフランクの変化を見て取ったのか、工場の同僚が集会に来ないかと声をかけてくる。彼は白人至上主義秘密結社「ブラックリージョン」のメンバーだった。

集会に参加したフランクは例の「真のアメリカ人が移民に抑圧されてる」系のヨタ演説に感銘を受け「ブラックリージョン」に入会する。この演説する人がかなりヒトラーを意識してるように見えた。1937年だからそういうことなのかな？
あと、このブラックリージョンが今日的だと思ったのは、純粋な政治的秘密結社を謳いながらメンバーに黒頭巾のやら専用の拳銃を売りつけるマルチ商法的側面があるところ。極右とマルチの融合なんてまんま参政党じゃないか笑

メンバーになったフランクは黒頭巾姿で仲間ともにフランクから職長の座を不当に奪った（と思い込んでる）ポーランド系の若僧の家を急襲する。家屋を放火する。若僧はその地を離れ、空いた職長の座にフランクが指名される。
これで気を良くしたフランクは極右差別主義に染まり仕事の合間にせっせと移民を脅す。時には誘拐しリンチにかけることも…しかし“愛国者”活動にのめり込み過ぎて仕事でミスをしてまう。そして、あっという間に降格させられる。後任はフランクの友達になる。彼はアイルランド系だった。自分のミスを棚上げしてまたしてもずる賢い移民に職を奪われたモードにジャック・インしたフランクはこの友達もブラック・リージョンの敵としてリンチにかける。そんな後暗い活動を妻に気づかれる。妻は子供を連れて家を出てしまう。これなぞ完全無欠に自業自得だがそれすらフランクは己の排外主義活動の燃料する。
現代の中年がネットde真実から有害ウヨに闇落ちするのと被り過ぎる展開に寒気がした。本作自体が実際に起こった事件をモデルにしてるから極右排外主義の恐ろしさ感じた。人類がまるでこの問題を克服してない事実とともに。

と話が終わった風に書いたけど、まだストーリーは残ってるあと3分の１ぐらい。映画として、社会派ノワールとしておもしろくなってくるのはここからなので気になる人は観て欲しい。
ここから後の展開もまんま現代でもありそうでなかなか怖い意味でグッとくる。

確かに参政党支持者の話として観れて日本でリメイクできそうwと思ったけど、本作の主人公は青年だけど参政党の岩盤支持層は40〜50代の男性と報道されてたから、ここはちょっと違うな。しかも、参政党支持者はどうせキモオタの独身男性だから妻子なんかいないし、フランクのように職場で人望もないだろし、それにフランクと違って参政党に触れる前から差別主義だから映画にならないよな。クズでキモいオタクがさらにクズくなる映画なんて誰も観たがらないもんな。

地位や金を求めても思うように行かず 強いものに惹かれる心がどうやって構築されていくのかを見た気がしました

KKKに入る儀式にピストルをコメカミに当てられ誓う言葉が危険 えっと気付いているようでも成り行きに任せてしまう

集団意識の中であっという間に振り切って暴力の快感に目覚めていく もう後戻りが出来ない感が凄まじい
フランクはごく普通で少しだけ背伸びをしただけだから余計に見ていて辛かった

彼がその後もっと酷い目に合うんではないかと気になって仕方ない終わり方でした

昇進のチャンスを移民に奪われたハンフリー・ボガート演じる白人労働者が、レイシストの愛国者達で構成されたブラックリージョンと呼ばれる秘密結社に加入するアーチー・L・メイヨ監督による社会派ドラマ。

主人公からチャンスを奪ったとはいえ、決して卑怯な形ではなく勤勉ぶりが評価された移民労働者。彼（ら）に対しKKKのような覆面を被り「俺達の仕事を奪ってる！」と怒り暴行を加え家を燃やすブラックリージョンの連中は妬んでばかりの他責思考な連中で、かつて80年代の貿易摩擦時日本車を破壊していた労働者達の姿と重なるものがありアメリカの白人達のリアルな側面を浮き彫りにしている印象さえ受けます。

移民を追い出し昇進するもだんだんと傲慢になり結果妻子には逃げられ、大切なものを失っていく様は自業自得としか言えませんが終盤の裁判で罪悪感に苛まれ嘘をつくことに耐えられなくなってからの流れは主人公が良心に目覚めることで罪を償う覚悟を感じられ、悲劇的とはいえ少し胸を打たれました。

90年近く前の作品ながら現代のアメリカは勿論日本でも起こりうるストーリーは全く古さを感じさせず、思えば覆面を被り正体を隠すことで他者の攻撃に勤しむ様は現代のSNSを中心としたネット社会にも相通じるものが有ります。

• #ジャケ写登録ありがとうございました