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バトル・ロワイアルのminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

バトル・ロワイアル(2000年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

日本に似た全体主義国家で実施されている中学三年生のクラスを隔離して殺し合いをさせるプログラムに巻き込まれた少年少女たちの話。久々に再見。
中学生主役なのにR15。

原作小説はその残酷極まりない設定から国会で取り上げられるほど問題視された作品だが、実はこの小説ほど物語として、エンターテイメント作品として様々な要素を高品質で盛り込んだものは無いと個人的には思っている。とりわけ登場人物の個性とかき分けは秀逸で、彼ら全員のエピソードが友情、恋愛、知能戦、裏切り、戦いと多岐にわたって絡み合い最後まで圧倒された読後感を今でも覚えている。デスゲームとしてのルール設定もえげつないくらいにスキがない。

そんな原作の映画化である本作は、大長編な原作を2時間の限られた上映時間におさめる必要性もあり、原作小説から複雑な心理描写といくつかのエピソードを除いた作品という印象だった。しかし、原作のバイオレンス描写をこれ以上ないくらいに再現したのは評価できるところ。終盤の女子グループの絆が疑心暗鬼で崩壊するシーンは必見。
出演者も当時10〜20歳くらいの役者が集められているが、主演の藤原竜也を筆頭に、安藤政信や栗山千明、柴咲コウなど現在も第一線で活躍するメンバーが出ていて驚かされる。1人国会議員になってる人もいるけど^_^
特に柴咲コウの殺人鬼の演技はすごいインパクト。
北野武のオリジナルエピソードは悪くないのだが、原作のクオリティ考えると特にいらなかった気もする。ただ、ビジネスとして考えるとこんな問題作で若手キャストだけだとコケそうで怖かったのかなあとも思う。
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