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ざくろの色のhorahukiのレビュー・感想・評価

ざくろの色(1971年製作の映画)
4.0
『ミッドサマー』でアリアスター監督が参考にした作品として挙げていたので見たかった作品。1500円でパラジャーノフ監督作4作レンタルできると聞いて早速見ました!

詩人サヤトノヴァの幼年期からその生涯を追うというストーリーが一応あるにはあるのですが、正直何がどうなってるのか私には良くわからなかった。ただ何というべきかは不明だけど、彼らなりの独自の精神性というか文化性というか、そういったものに根差した一種の「生」のシステムとも呼べるものが奥底に根付いてるのが伝わってきて、特に幼年期のシーンは生き生きとした「生」の温かみとか力強さみたいなものを感じて、めちゃくちゃテンション上がった。

白と黒と赤の三色対比が最初っから何度も何度も(というか常時)繰り返される。どこまで意味を持たせたものかは読み取れなかったけれど、とにかく美しい。ガチッと決まった絵画的(静止画的)構図の中の左右運動、上下運動、回転運動、そして構図の反復と差異。そこに合わさる民俗的な楽曲。意図や意味はほとんど汲み取れてないけれど、全く目が離せないし、好きの上に好きを上乗せしていくような、「考えるな!感じろ!」的な映像に身を委ねてるような高揚感が最後まで続いた。

人物についても、動的なシーンよりも静的なシーンの方が多く、絵画の一部としての役割を全うしているように思える。それは、文化的・精神的システム、あるいは集団的な生的システムの中の個というものをも想起させる。サヤトノヴァがどういう詩を読んでどんな境遇の人物だったのかサッパリ知らないので何とも言えないのだけど、このあたりの関係性なり、死んでもなお存続していく精神性なりを訴えかけてくるような詩を読んだのかな?とか思った。完全に勝手なイメージだけど。

大量の羊による復活・再生イメージを与えてくるシーンでメイクイーンのようなビジュアルが奥の方に映るのだけど、もしかしたらこのあたりが『ミッドサマー』に影響を与えたのではないかとも思えてきて面白かった。『ミッドサマー』への影響はそんなピンポイントに限らず至る所から感じるので、アレからメイクイーンの発想が生まれたのかはわからないけれど…😅

ただ画質があんまり良くなかったので、やっぱりBlu-ray買うべきかな〜。鮮明な映像で見てみたい。そのあたりがどれくらい向上してるのか知らないのだけど、もしかしたらエグいくらい感動するかも?でも結構値段するんですよね…😭最近海外版の未公開ホラーを買いまくってるから、さすがにキツいよ…😅来月に出るポランスキーのBoxも買う予定だし。
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