【ヴァンパイア映画のススメ】
『ヴァンパイア/最期の聖戦』(1998)

◆本作のポジショニング
　人類 →→ (征伐) →→ ヴァンパイア

〈見処〉
①鬼才ジョン・カーペンターが贈る
　ヴァンパイア映画のカルト傑作！
・『ヴァンパイア/最期の聖戦』(原題：John Carpenter's Vampires)は、1998年製作のアクション・ホラー。PG-12指定。
・ときは20世紀末。密かに世界各地で蘇っていたヴァンパイアの征伐のためバチカンに雇われた吸血鬼ハンター(スレイヤーズ)のジャック。ニューメキシコでヴァンパイアたちの捕殺に成功したスレイヤーズたちは勝利に酔いしれるが、その夜、魔鬼ヴァレックに逆襲を受け、ジャックとトニーのみ以外のメンバーは惨殺。また、娼婦のカトリーナは血を吸われてしまう。
・ジャックは、ヴァレックが600年生き続ける最初のヴァンパイアで、陽光の下でも活動できる力を与える神秘の十字架を探していることを知り、ヴァンパイアに覚醒するまで、ヴァンパイアと意志疎通することができるカトリーナを利用し、ヴァレックの居所をつきとめ、最後の戦いに挑む…(Wikipediaより抜粋)。
・本作はジョン・スティークレーの小説「ヴァンパイア・バスターズ」を原作に、カルトSFの巨匠ジョン・カーペンターがメガホンを取った本作は、彼の得意とする「陰謀や未知の強敵に立ち向かう任侠ヒーロー」の描写が存分に発揮され、今でも根強いカルト人気を誇る名作である。

②結び…本作の見処は？
ヴァンパイアと相性の良い、ニューメキシコの西部劇風の広野とキリスト教のエッセンスが配合された、超良質のB級映画。
○: 本作のヴァンパイアは、十字架を怖れず、抹殺のためには日光を浴びさせる一手間かかる設定。地中から姿を表すヴァンパイアたちは、映画の構図に優れ、監督作品に冠される「John Carpenter's」に恥じない品質を誇る。
○: バチカンの陰謀を絡めたことで、トンデモ・ストーリーに一定の説得力を増している。中弛みの少ない本作は、脚本に優れているということだろう。
○: 吸血鬼ハンターは、主演ジェームズ・ウッズのハマり役。助演陣も、兄アレックスとクリソツなダニエル・ボールドウィンと、『ツイン・ピークス』で世界一綺麗な死体と謳われたとは思えないほど場末な娼婦なままのシェリル・リー、ともに存在感を発揮している。
▲: 本作から４年後の2002年に、ジョン・ボン・ジョヴィ主演による続編『ヴァンパイア/黒の十字架』(Vampires: LOS MUERTOS)が製作されているが、「黒の十字架」に絡めた逸話以外は本作と連関性は薄く、強烈なB級映画臭を感じるため、現時点では未鑑賞のまま放置。

• #ヴァンパイア映画のススメ
• #掘り出し物の佳作！

吸血鬼を引き摺り出せ！！
始末人と呼ばれる吸血鬼ハンターたちが、建物内に潜む吸血鬼にロープ付きの杭を打ち込み、外に引き摺り出して殺しまくるアクションホラー。

ジョンカーペンター監督による吸血鬼映画。最近『遊星からの物体X』『ゼイリブ』が上映されたり、ジョンカーペンター読本が発売されたりとカーペンター監督が熱いですね！

あらすじ…
主人公クロウは大勢の始末人たちと拠点となる建物を襲撃し吸血鬼を狩っていたが、拠点には必ずいるはずの吸血鬼のリーダー「魔鬼」がいなかった。不審に思いつつもモーテルでどんちゃん騒ぎしてたら、強力な「魔鬼」バレックが現れ、主人公と友人、娼婦の3人を除いて全滅。何とか逃げ出した3人はバレックを倒そうと奔走する中でバレックの秘密が明らかになっていく…。

口も態度も悪い主人公が教会直属の始末人として吸血鬼と戦うというアンバランスさが面白い。神父（最初の人）も同行するんですけど、なんだかノリノリだし、死んだ吸血鬼にもアーメンしちゃうというね。

本作の吸血鬼は弱点が極めて少ない。もともと不死身だから銃ではほぼダメージを与えられないし、弱点の定番である十字架もニンニクも効かない。有効なのは杭を心臓に打ち込むことだけど、それでも致命傷には至らない。

唯一吸血鬼を殺すことができるのは日光だけ。だから吸血鬼ハンターたちは、日中吸血鬼が潜む建物内に突入し、吸血鬼に杭付きロープを突き刺し車で引っ張って外に引き摺り出して殺してるわけです。日光を浴びた吸血鬼は盛大に発火して黒焦げになるので、なかなか残虐。しかも一回一回わざわざ車で引っ張るのがなんだかシュールでちょっと笑えます。

悪魔払いという本来なら悪魔を退ける儀式が原因で吸血鬼が生まれたというのは新鮮だし、バレックに噛まれた娼婦が精神的にシンクロしてテレパシーでバレックの居場所がわかるという設定もめずらしい。棺ではなく地中で眠り、活動時期になると大勢の吸血鬼が土中から這い出てくるのは『サンゲリア』のようでもあり、でもそれでいてしっかり正装？なのが吸血鬼らしくてカッコイイ。

主人公と友人の切なくて熱い友情だったり、人と吸血鬼のこれまた切なめな恋愛だったり、オドオドしてたメガネイケメン神父がクライマックスで覚醒したりといったドラマ部分だけでなく、人を縦真っ二つにしちゃうグロ描写とか、スタイリッシュさとは程遠い泥臭いアクションとか、見どころは結構多いです。でも私的にはそこまでハマりませんでした…。『ゴースト・オブ・マーズ』もそうだったんだけど、この時期のカーペンター監督作品あんまり合わないんですよねー。あとVHSタグつけてますが、DVDもあります！

• #ホラー映画と怖い映画
• #こんなのあるよ！だってVHSだもん☆

　ヴァンパイア対ヴァンパイアハンター！

　ヴァンパイアを矢で刺して車で牽引して太陽に当てて倒すていう工場工程みたいなバトルがさすがジョン・カーペンター監督！ナイスアイディア

　あんこぶつけたろか！