戦前から戦後にかけて数々の名作ディズニーアニメーションを手がけてきたベン・シャープスティーンが、そのキャリアの最後に監督した実写ドキュメンタリー。
タイトル通り様々な水鳥の捕食や求愛など生態を記録した内容で、鳥たちの動きに合わせてディズニーらしい音楽が重なります。
カモだけ取っても見慣れた柄だけでなく、オナガガモにスズガモと珍しい種類の鳥がたくさん登場するのが良かったです。
前半は説明的なナレーションが入るのですが、古めかしさは否めず、内容自体は興味深くても退屈に感じてしまいました。
後半でナレーションが消え、音楽に合わせて鳥たちがダンスするような場面の編集が素晴らしく、いっそ全編それだけでも良かった気がしました。

映画評論家の双葉十三郎さんが、批評した8900本の中からベスト15に選んだ一本。ディズニー製作のエンターテイメントな自然ドキュメンタリー。

３年間かけてカメラに収めた24種類の水鳥の生態を、楽しい音楽と共に紹介する。。。

ネイチャー系のテレビ番組のようなものかなと思っていたが、想像以上にエンターテイメント映画だった。水鳥の美しく興味深い映像が、音楽と完全シンクロして紹介されていくのだ。「ファンタジア」(1940)のアニメーションを実写の動物に置き換えたような表現に、思わず目が釘付けになった。編集された映像に合わせて作曲演奏したのだろうか？驚くべき仕上がりに感心した。

水鳥の不思議でユーモラスな動きは、ディズニーのアニメキャラの動きの手本のようにも見えた。本作は1950年代のディズニー「自然の驚異シリーズ」の一本で、他にも動物の実写ドキュメンタリーを何本も作っていた
とのこと。以降のアニメでは実写動物の動きをトレースしていたかもしれない。

日本語音声版は公開当時の徳川無声（昔の有名な弁士）のナレーションで、非常にレトロでクセが強いため好みが別れると思う。

【第25回アカデミー賞　短編実写映画賞受賞】
なぜ短編ドキュメンタリー部門ではないのかが謎。

まあ内容は今だったら「ダーウィンが来た！」とかでやってるようなもの。

でも、戦後すぐにこれをつくってしまうんだからやっぱすごいな。そのスピード感は流石アメリカ。

求愛行動は音楽の合わせ方も相まってふふっと笑ってしまうシーンもあった。

• #第25回アカデミー賞