▪️JPTitle :「大地（1937）」
ORTitle:「The Good Earth」
▪️First Release Year : 1937
▪️JP Release Date : 1937/11
▪️Production Country : アメリカ
🏆Main Awards : 第10回アカデミー賞
主演女優賞 撮影賞
▪️Appreciation Record : 2022-190 再鑑賞
🕰Running Time : 138分
▪️Director : シドニー・フランクリン
▪️Writer : タルボット・ジェニングス、テス・スレシンジャー、クローディン・ウェスト
▪️MusicD : ハーバート・ストサート
▪️Cast : ポール・ムニ、ルイーゼ・ライナー、ウォルター・コノリー、テイリー・ロッシュ、チャーリー・グレイプウィン、ジェシー・ラルフ
▪️Review
初見の時、中国の貧農達が自然の猛威と戦う物語なのに、主演周りは全てアメリカ人で全て英語なのにはじめはびっくりしました。しかし観ているうちにその映像の素晴らしさやストーリーの秀逸さ、ルイーゼ・ライナーの素晴らしい演技などでその違和感は知らない間にすっ飛んでいました。そして138分釘付けになったそんな作品です。
本作、パール・バック原作小説を映画化。中国を舞台に、自然と闘う農民一家を壮大なスケールで描くドラマ作品です。貧農の夫婦が頑張って大地主になり、途中道を誤るも夫婦の愛を確認する見応えのある物語。
特に、アカデミー撮影賞を受賞したその映像が素晴らしく、前半の農家を襲う自然の猛威、中盤の革命の暴動、そしてクライマックスのイナゴの大群が押し寄せる映像は圧巻で、この時代にどうやって撮ったのか不思議に思えるくらいの映像です。
そして主演女優のルイーゼ・ライナー、『巨星ジーグフェルド』とこの映画で2年連続主演女優賞のオスカーを手にしました。ハリウッドの美人女優が醜女の中国人役を特殊メイクがあるにしろこなしてしまう体当たりの演技には魅了されます。
ラストも秀逸で、主人公ポール・ムニ演じる王龍が、結婚した時に埋めた桃の種が大きく成長し、その木に触れながら「阿蘭、お前はこの大地だ」と言うラストシーンがとても素晴らしいです。

物語は。。。
王龍は飢饉と洪水と戦乱にされされる中国北部の貧しい農夫でした。ある日、豪族黄家の奴隷阿蘭を妻として迎えることになります。阿蘭は顔の醜い女でしたが、無口で従順な、良く働く妻でした。夫婦は貧苦と飢餓に苦しみつつ、たゆまぬ勤労で次第に土地を増やして行きます。３人の子供に恵まれた彼らの幸福は、未曾有の干ばつによって奪われてしまうのですが。。。

▪️Overview （映画. comより）
パール・バックの出世作の小説を映画化したもので、「科学者の道」「黒地獄」のポール・ムニと「逢瀬いま一度」「巨星ジーグフェルド」のルイゼ・ライナーとが主演する。脚色は、オウエン及びドナルド・デーヴィスの舞台劇を参酌して「ロミオとジュリエット」のタルボット・ジェニングス、「白い蘭」のクローディン・ウェスト及びテス・スレシンガーが協力して当たり、「ダアク・エンゼル(1935)」「白い蘭」のシドニー・Ａ・フランクリンが監督に任じ、「裏町」「巨星ジーグフェルド」のカール・フロイントが撮影した。助演者は「結婚クーデター」のウォルター・コノリー、「沙漠の花園」のテイリー・ロッシュ、「我は海の子」のチャーリー・グレイプウィン、「夕陽特急」のジェシー・ラルフ等で、中国人俳優多数も出演している。

真珠

中国の貧しい百姓ワン・ルンは、地元の女性オーランと結婚し、やがて跡取りとなる男の子が生まれる
その後、もう2人の子宝にも恵まれ、5つの畑を持つ彼だったが....

パール・バックによる出世作の小説を映画化したロマンスドラマ

人生は山あり谷あり

ストーリーはなかなか見応えあり
切ない感じでしたが、お似合いの2人でした

中国の農民の暮らしぶりを知れる

気候に左右されちゃう
自然を前に、生き物たちはあまりに無力

イナゴとの格闘シーンは見応え十分でした

そして、俳優陣の演技も見どころ
ポール・ムニがアジア人っぽかった
演技もさすが！これぞ名優って感じですね
ルイーゼ・ライナーのつつましい演技も見事
その他、中国人俳優が多数出演

友達が可哀想
あの美女は男たちを惑わせる

パール・S・バックによる同名小説を映画化した歴史大作。1937年のアメリカ・ハリウッドで、中国の農村を舞台にした作品を映画化しようと思ったスタッフ陣にまず脱帽。おそらくロケもオール中国。
当時は黒人やアジア人を普通に白人が演じる文化があったとのことで、今を生きる私達からするとかなり違和感だしコンプライアンス上アウトだとも思うんだけれども...。それでも本作でオスカー2年連続受賞の快挙を成し遂げたルイーゼ・ライナーと、名優ポール・ムニの中国人としての演技は真に迫っていて心揺さぶられました。

貧しい農民の王龍は、奴隷奉公の娘の阿蘭を嫁に迎えることになる。日々懸命に畑仕事に精を出し、いつしか2人の間には子供も生まれる。しかし干ばつや市民革命など未曾有の出来事が次から次へと一家に襲いかかり...。

とにかく当時のハリウッドの技術の凄まじさを物語る作品でした。中国を舞台に、想像を絶する出来事の連続に苦しみながらもひたむきに生きる家族の一大叙事詩。先の読めない脚本のおかげで、古い映画なのに最後まで全く飽きずに鑑賞できました。
もともとエキゾチックなお顔立ちをしているからか、途中から自然とムニとライナー両者とも本当の中国人に見えてきたし、特にマーロン・ブランドが最も敬愛した俳優と言われているムニの表情ひとつひとつが素晴らしかったです。
他にも中国人の俳優さんがたくさん出ていて、その点も当時のハリウッドを考えるとかなり画期的だなと。でも色々調べたら、最初の中国系アメリカ人女優スターであるアンナ・メイ・ウォンは、本作への出演に対して非常に葛藤し結局出演は実現せずだったという記事を読み、"アメリカ人から見た中国人"というステレオタイプに苦しんでいた俳優さんも数多くいたのだろうなと痛感...。今や映画表現はかなり多岐にわたっての描写が可能になってきているものの、当時は一部の偏見や日和見で描かれた作品も数多くあったのですね。

その意味では批判の声もおそらくあるだろう本作ですが、前述のように見事なキャストの演技と中国の世界観の再現度、そしてハイライトとも言えるイナゴの大群の襲来シーンなど、今観ても圧倒される要素が多く盛り込まれている点などを鑑みて、素直に感動できる映画でした。