1930年　アメリカ🇺🇸

ジョン・フォード監督のゆるいコメディ
本作がスペンサー・トレイシーとハンフリー・ボガードの本格的な長編映画デビュー作らしい

原題“Up the River”とは「刑務所へ」とか「ムショ送り」という意味

という事で刑務所を脱獄したり戻ったり
美人受刑者との恋愛があったり
刑務所対抗野球試合があったり

刑務所が舞台で中には凶悪犯もいるのにどこかゆったり

年長受刑者が言う刑務所ジョークはちょっとブラックでなかなか面白かった

若いボギーはやっぱり二枚目！
しかしスペンスはボギーよりも顔が小さくて足がやたら長くてスタイルでは上だった

プロパガンダ映画を撮る前のフォード監督のコメディ映画は大爆笑はできないけどなんか好きです


↓オリジナルポスター

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/63/Up_the_River_%28film_poster%29.jpg

• #ポケ2023年劇場鑑賞

主人公がコロコロ変わるのいい意味でイビツ。ギャグすぎて刑務所のていをなさないノホホン刑務所。犯罪の親バレ、受刑者の恋、ムショ対抗野球、藁乗り…など見どころが満載。「独房にぶち込め！…試合が終わったらな」「鉛筆取ってくる（恋人達のために中座）」など話の分かる署長が素敵。お楽しみ会でのMOTHERの曲が沁みる。

刑務所の囚人たちが野球をやるという設定だけでたまらなく楽しい。アルドリッチの「ロンゲストヤード」や深作の「ダイナマイトドンドン」に通じる。この二作が囚人vs看守だったのに対してこの作品の看守達は牧歌的というか人間味溢れるというか大らかこの上なく、それが作品全体のテイストにもなっている。他の刑務所の囚人チームと闘うことになってスパイクの裏の鋲をヤスリで磨くのも楽しいしお互いの監督が相手チームのピッチャーをいちいち殴るのも可笑しい。そこに脱獄した2人が意気揚々と帰ってくる至福感。