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見えない恐怖のRのレビュー・感想・評価

見えない恐怖(1971年製作の映画)
4.4
やば、フライシャーのサスペンスめちゃめちゃツボ! 怖い! ホントに怖い! 本作は見えない恐怖を見せない恐怖で巧妙に演出。うまい! 怖い! おもしろい! この映画なかなか見る気になれなかったのだが、その理由は、ボク、ミアファローぜんぜん好きじゃなくて……演技なんやろけど、どことなくボケーっとしてて、若いのにミャアミャア婆さんみたな喋り方する偽り天然くさい雰囲気がなーんか肌に合わず。しかし、それを見る者のイライラをピークに到達させるための素材に転換した本作には感情かき乱されまくり。逆に効果的。冒頭、落馬事故で視力を失って入院してたサラ(ミアファロー)が、退院して伯父さんの邸宅に帰ってくるところから始まります。目が見えなくてもなるべく自分のことは自分でしたいサラが家の中を動き回ったりするのを、ヒヤヒヤ心配そうに伯父さん一家は見守ってる。で、サラ以外のみんなが晩までお出かけの日、元彼と乗馬を楽しんだサラは誰もいない邸宅に帰って来て、お茶を作って飲んだあと、疲れてふっと眠りに落ち、そのまま朝まで眠り込んでしまいます。早朝、目が覚めたサラは、まだ眠っているであろうみんなを起こすまいと、お茶を飲んだり、お風呂に入ろうとしたり……しかし、その邸宅ではサラの気づかぬうちに恐ろしいことが起こっていたのだった! サラが乗馬からうちに帰って来たとき、すでにカメラは不穏に傾き、陽が陰って闇も多く、室内の様子が少しおかしい、けど一見何も起こってなさそうでもある……のだが、ところがどっこい!現状の全貌が明らかになるシーンの、カメラの巧みなフレーミングで背筋の凍る恐怖を少しずつ静かに映し出していくこのゾクゾク感! ヤバい! けど、サラには何も見えてないのです! それがまたヤバい! こえええええ!!! で、そこから居ても立っても居られないスリルと、おいおい、監督、いくらなんでもミアファローいじめすぎやろ! な展開が! ほんまひどい! ひどすぎてつらい。けど、つらそうにして、ひぁ、はうっ、うあぁぁ、と喘いでるミアファローに何かイラっとくる笑 次から次に怖いし、汚いし、痛いし、うわああああああああああああ心の中がグチャグチャだあああああああ!!! って悶えてました。クライマックスの演出も怖かった。いきなり予想外のところで人の感触がするのってどんだけ気持ち悪いんやろ、と鳥肌立つシーンが2回出て来て、人間の気持ち悪さサイコーやった。もっとフライシャーにはサスペンスやってほしかったなぁ。もし他にオススメフライシャーがあれば是非とも教えてほしいです。やっぱベタにトラトラトラとか?
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