『ジョゼと虎と魚たち』『メゾン・ド・ヒミコ』どちらも大好物だが、脚本家の渡辺あや（聡明で優しそうな美人）の手に掛かると一味も二味も美味しくなるんだな〜✨と今更ながらに感じて、これから3作品続けて鑑賞します。

この作品の原作は室生犀星の短編小説。
それを現代に置き換えての脚本はお見事‼️

地元の島に戻って来た老作家の村田省三（原田芳雄）は、かつての面影はなく、1人暮らしで偏屈者と化していた。

そこへ村田のファンで担当となった編集者の折見とち子（尾野真千子）が東京から通って来る。

親子以上の歳の差があるが、仕事に関してはどちらもプロ同士。お互いに一歩も譲らずで丁々発止❗️

ある時村田は、小説の装丁を金魚の魚拓にしたいと思い付き、折見に作成を命令する。村田の飼っている赤い金魚（緋色＝火色を捩っている）を折見が1人で立派な魚拓に仕上げるのだが...

魚拓にするには金魚を殺さなくてはならず、2人の間に小さな命を巡ってさざなみが立つ。

まだ28才の折見は実は不治の病に侵されていた。その事を知った孤独な老作家は、時を慈しみながら生きる折見を見舞う。

村田は麻の白いスーツを着て、真っ赤なバラ🌹だけの花束を抱えて♥️
照れながらも凄く素敵‧˚₊*̥(* ⁰̷̴͈꒨⁰̷̴͈)‧˚₊*̥

病院の木陰で2人で並んで座って、労わり合い、笑い合って共に時間を過ごす。

老いと若さ、生と死を、熟年の渋さの堪らない原田芳雄と、まだ若々しい尾野真千子の演技が負けてない、なかなか絵になる対比で、素敵な作品でした✨

ドラマのほうにレビューを書いた

NHKの放送当時、名前すら知らなかった尾野真知子とベテラン原田芳雄のピンと張り詰めたような緊張感に満ちた演技と、出会いから別れまでの物語を、様々なエピソードを重ね大きく動きながらも少しも散漫に感じさせないよく練られた脚本と演出にオープニングからエンディングまで深く引き込まれました。

静かに淡々と進んでいく生と死の物語です。

暗く終わりそうな物語を「タバコ吸いてぇー」の叫びで明るく終わらせるラストも良かった。
自分はタバコ吸わないんだけど、あの気持ち、分かる気がします。