医師の診断という魔法の言葉

『グリズリー』『アニマル大戦争』『マニトウ』というホラー的に錚々たる映画を世に送り出したウィリアムガードラー監督の長編デビュー作。私は一本も見てないけど。ガードラー監督はヘリコプター事故で若くして亡くなられたらしいのですが、この有名な三本はどれもキャリア後期の作品なので脂がのってる時期に亡くなられたということになるのでしょうね。そのまま撮り続けていたらホラー映画史に多大な影響を与えたのではないかと思うと残念…。私は一本も見てないけど。

タイトルからもお分かりの通り、本作はオカルト映画。どうやら今日はオカルト記念日らしいのでコレにしました。本作は71年製作なので、『ローズマリーの赤ちゃん』後『エクソシスト』前という時期。舞台は精神病院だけど、内容的には『ローズマリーの赤ちゃん』から多大な影響を受けているだろうことがわかります。

目が覚めると見知らぬ病院に転院させられてたルシーナが、どこも悪くないから退院させろとごねまくるお話。実際にどこも悪くなくて、入院という名の監禁状態。ソダーバーグの『アンセイン』的なやつ。勝手に入院させられたのに、何とか脱出しようとしたら「病院のルールを破ると罰則があるよ！」とキツ目のおしかりを受けるという胸糞感。まずは病院としてのルールを守ってから言おうよ。

外では婚約者が何とかルシーナを退院させようと警察に相談するのだけど、医師の診断で入院してるんだから何の問題もないと突っぱねられちゃう。そんないつもの通りの無能かと思いきや、裏でしっかりと調べてくれる超有能警察。隙をつき逃げ出そうとするルシーナと婚約者&警察の捜査という内外のストーリーラインをクライマックスで交差させる構成。

オチはタイトルでだいたい予想がつくのではないかと思うけれど、本作が何よりもすさまじいのは悪魔さんのビジュアル。小学生の工作かな？ってレベル。それが満を持してデデーンって感じで出てくるもんだから、右肩上がりに高まった期待値がそのまま笑いになった。ちなみにジャケの上にいらっしゃる赤いやつです。低解像度のおかげで何とか誤魔化してるけど、実際に見るとこれより３割増しくらい酷かった。

そういえばスティングレイから『グリズリー』のBlu-rayが今年の4月に発売されたし、『マニトウ』のBlu-rayも今月末に発売するらしい。本作のDVDも今年の初めに発売されて、先月か先々月にレンタル開始したので、なぜか今年はガードラー監督推しが凄いのだけど、なんかあったのかな。

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目が覚めるとそこは知らない病院でしたで始まるオカルトムービー。
まあネタバレしちゃうと悪魔崇拝集団に拉致監禁されていて悪魔召喚儀式の生け贄にされたりする訳ですけど、満を持して登場するご本尊悪魔の造形のちゃちさがとんでもない。手作り感満載でがんこちゃんみたいな顔面してるのにまったく奇をてらってないというか、これ制作さんサイドはマジでやってんな…ていうのが伝わってくるヤバみ。怖い。そこからの阿呆みたいなオチ含め愛らしさに溢れた低俗さがけっこう好きだったりする。

ウィリアム・ガードラー初監督！！！

以前観た「アビィ」より全然画質が良いです
自分が思っていたよりちゃんとした話になってました

ドリフのコントのような消化器の煙、可愛いゴム製の毒ヘビちゃん🐍
低予算映画ならではのつっこみたい事だらけです

なんと言っても中盤に登場するモンスターかなんかの造形は一瞬だけど結構どアップで………あれは、はっきり写しちゃアカン奴ですね

そして満を辞して現れるサタンちゃんの着ぐるみにドッキリ！驚愕のオチに呆然…

とてもとても人様にオススメできる代物ではありませんが
自分は嫌いじゃない♡