真っ黒こげ太郎

クライモリ デッド・エンドの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

4.8
生温いサバイバル番組が恐怖のマジモンサバイバルに変わる!!!

グロさも汚さも過激さも、前作以上にパワーアップ!!!!



サバイバル・ゲームを行うテレビ番組「アポカリプス」の収録の為に森の奥へやってきたスタッフと出演者。
結局来なかった出演者が居てスタッフの女性が参加したりとトラブルはあったものの、無事ゲームが開始される。

だが、その山は近親相姦と化学汚染によって生まれた、異形の殺人鬼軍団の根城だったのだ!!!
狂気の殺戮者達によって、参加者やスタッフ達は次々と犠牲になってゆく…。



山奥へサバイバル番組を撮影しに来た撮影チームが、異形の殺人鬼一家に襲われるサバイバル・スラッシャー・ホラー。
山奥で異形軍団に襲われる、「クライモリ」シリーズの二作目。

何やらシリーズ内でも最高傑作と呼び声が高い本作。
その噂に違わず、全面的に前作以上にパワーアップし、かなりのバイオレンスさと面白さを持った快作となってました!!!!


今作、まず手始めにスプラッター方面がパワーアップ!!!!
前回は血みどろながらオードソックスな作りで「スプラッター初心者向け」といった感じのゴア描写だったのだが、今回は超過激でグチョグチョな超ハードなスプラッター描写が展開される。
初っ端から口元を喰われて頭から真っ二つにされ臓物が流れ出る残酷描写が展開され、その後も血まみれで汚らしいゴア描写の嵐。
臓物もあちこちで顔を出すし、終盤では死ぬ奴はミンチレベルに大粉砕される!!!
血糊の量も多くあちこちでどす黒い血が流れまくる!!!!
とまぁ、最初から最後までこんな調子なので、ゴア描写に関しては文句なしの出来でした。
(だからこそ、ビデオスルーになったのかもしれんが。w)

また、今回はグロだけでなく異形の殺人鬼絡みの悪趣味な描写もあちこちで展開される。
異形の夫婦が妊娠し、異形の赤ん坊を出産するシーンに始まり、異形男のオ○ナニーに異形カップルのセ○ックス等、妙にお下品なネタが満載!w
人間側もゲロを吐くわゲロみたいな食い物を無理やり食わされるわでとにかく食欲を後退させるゲンナリ描写が目白押し!!!

兎に角前作の若葉マーク付けても良いレベルのマイルドさは何処吹く風。
全編に渡って耐性が無ければアウトなグログロワールドが展開されるぞ!!!!


そして今作、前回以上にサバイバル色を強めたお話も面白い。
今回はサバイバル番組に参加した青年達と番組スタッフ一同が襲われ、ごっこレベルだったサバイバル番組が生きるか死ぬかのサバイバルに変わってゆく。
最初イヤな奴やどうでもいい連中の集まりっぽい登場人物も作中でしっかりバックストーリーや人間味のある場面が描かれるので、作品が進むにつれてちゃんと感情移入できる。
キャラも個性が経っていて分かりやすい。
その上誰が主人公か分からず、誰が最後まで生き残るか分からないので、緊張感も中々高め。
(あの人、どう考えても主役だと思ってたのに…。w)
「あの人、結構いいヤツかも!」「あの人いい人っぽいから死なないで欲しいなぁ…」と思いながらも登場人物は容赦なく死にまくるので、物語は否が応でも盛り上がります。
(殺人鬼軍団が滅茶苦茶強いのも緊張感を上手く煽ってくる。)
誰が生き残るか予想しながら最後まで楽しめました。


特に今作で一番キャラ立ちしてたのが、元グリーンベレーで番組MCを務めているデール大佐。
彼は殺人鬼相手に得意のサバイバルスキルを駆使して大立ち回りを繰り広げるのだ!!!
殺人鬼達に平然と挑み、次々と葬ってゆく様は見てて痛快!!!
爆弾付き弓矢や殺人鬼とのナイフバトル等、彼のお陰で内容にアクション性が増してるのが素晴らしい。
殺人鬼相手に無双する姿は、彼が「ザ・バトル ネイビーシールズVSミュータント」の主人公の元ネタとかかもしれないと思えて感慨深い。w
(あっち程じゃないが。w)
更に吹き替えがヴァン・ダムさんやドニーさんの声でお馴染みな人なのも頼もしさを助長させていた。(そこかよ!w)


あちこちで前作やこの手のジャンルのオマージュも感じられたりするのも好感触。
前作同様車事故で始まるシーンが冒頭で展開されるし、前作とは違う形で目に矢が刺さるシーンもある。
クライマックスで展開される晩餐のシーンは完全に「悪魔のいけにえ」そのまんますぎて笑ってしまった。
(その後の展開を見るに「悪魔のいけにえ2」の方を参考にしてる可能性も無きにしも非ず。w)


そんな感じで、ドラマ、キャラクター、緊張感、スプラッターと全てが前作以上に進化。
ハラハラドキドキしながら、殺人鬼との攻防やハードなスプラッター描写を堪能できます。


惜しむらくは、前半の展開がちょっとダレてる事。
キャラクターの過去が描かれたり、美女がおっぱいを見せたりと見せ場は多いのだが、前半は少々退屈かも。
後今回は全体的に超!!!エキサイティン!!!な分、怖さや恐怖方面がかなり薄くなってました。
まぁ、この手の映画を見る人はエログロ目当てで観てると思うので、あまり気にすることはないと思うけどね。(って、俺だけか!?w)


何にせよ、前作をはるかに超えた凄まじいスラッシャー・ホラーなので、スプラッター映画好きは必見だ!!!
前作は懐石料理における「お通し」の範囲だったんだな…。

何はともあれ、スラッシャーやスプラッター好きなら是非前作から順に見て欲しい。
オススメだ!!!!