評価低すぎてビックリしました。
そんじょそこらのありふれたホラーよりよっぽど優れてると思います、私は。
ラッキー・マッキーは、ちょっと変わり者で世の中と交われない女の子を魅力的に映し出すのが本当に上手い。
そして、あっという間にこちらの気持ちを主人公に共感させるという演出も非常に上手い。
本作の主人公は不愛想で反抗期真っ只中なティーンエイジャーの女の子だけど、鈍感な両親・ヒステリーな先生・意地悪な同級生といったキャラクターを巧みに用いて、あっという間に主人公側に感情移入させてしまう。
物語のテンポは非常にスローだけど、とても丁寧に話を構築しているのが分かるから決して退屈ではない。
茶色がかった映像は60年代の時代感と森の中に佇む孤立した学校の雰囲気を上手に再現しているし、可愛らしい女性ボーカルが耳に残るサウンドトラックは不思議と不気味な印象を引き立てる。
随所で「サスペリア」や「死霊のはらわた」からの影響について触れられているけど、そこを強調してピックアップするのも私はノレないというか、これはこれできちんと独立したオリジナリティがあります。
ラストはこれまでのスローテンポに比べると非常に駆け足、嵐のようにドタバタとしてあっという間に過ぎていく。
スッキリとする終わり方ではないけれど、何とも言えない物悲しい余韻もこの映画の雰囲気に合っていて私は好き。