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青髭
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『青髭』に投稿された感想・評価

Cem
5.0
フランスで最も有名なシリアルキラー【アンリ・デジレ・ランドリュー】の連続殺人事件をシャブロルが映画化したもの

金目当てに婚活女子に近付き殺害していくとは酷い。初対面の公園も田舎の別荘も素敵だし、アンティークインテリアのお部屋も美しい。殺害や死体は省き気付けば焼却炉。毎回「臭うわね~」と嘆く近所のオバチャン。なかなかコミカルでオモロイ。
ステファーヌ・オードラン演じた実在のモデルは映画を訴えた後、自殺したそうだ。なかなか闇深く哀しい。
1910年代フランスで10人以上の女性を殺害し、ペロー童話の殺人鬼“青髭”を異名として付けられた連続殺人犯アンリ・デジレ・ランドリューを描く。シャブロル監督の初期作。脚本はフランソワーズ・サガン。

第一次世界大戦中フランス。一見立派な中年男アンリ・ランドリューは収入に困り犯罪に手を染める。それは、新聞広告で孤独な戦争未亡人と出会って誘惑し、財産を詐取した後で殺害、遺体を別荘のストーブで焼却するという恐るべきものだった。妻と子供には出張仕事だと嘘をつき数年にわたって殺人を重ね続けるランドリュー。やがて愛人フェルナンド(ステファン・オードラン)といるところを警察が踏み込み逮捕。しかし決定的な証拠は見つからず、裁判でも潔白を主張するが。。。

凶悪犯罪をドライに徹して描いていてブラックな喜劇のようになっていた。主役のメイクはランドリュー本人の写真にそっくり。殺害シーンは省かれ、未亡人との待ち合わせ→部屋で誘惑→未亡人の顔が静止画になる→焼却炉と煙突の煙、のパターンが最初は続く。その段取り描写が徐々にタイトになっていき、しまいには、待ち合わせ→煙突の煙、の2カットが速度を増しながら繰り返される。これには不謹慎ながら笑ってしまった。

本編の合間に何度も第一次世界大戦のニュースフィルムが挟まれる。時代の背景を印象付ける意味に加えて、国家による殺人行為と個人の連続殺人を対比させ相対化させようとしたと思われる。戦争は、戦場だけではなく国民のモラルも崩壊させるということ。

未亡人誘惑のシーンに舞台演劇的な演出を取り込むなど、様々な挑戦的手法が用いられていた。ヌーヴェルヴァーグの秀作としても注目しておきたい個性的な一本。

※実際の裁判記録によると、ランドリューは1914~1919年の間に283人の女性と出会い、そのうち72名が行方不明となっていたが余罪として追及できなかった。

※シャブロル監督は本作の制作時、前妻と別れてステファン・オードランと暮らしていた(翌年に正式に結婚)。
グリムのやつじゃなくて実在のアンリデジレランドリュの話だった。本人と似てる〜シャルルデネ第一次大戦時の未亡人狙いの詐欺師、新聞広告でひっかけた富裕女をオペラで落とす言うこともいちいちキザったらしくて最高。大久保清にもちょっとだけ重なる。舞台みてるみたいなセットや豪邸のインテリアもシャブロル〜って感じでゴージャス。脚本はサガンなのね。ダニエルダリューもコロっと騙されて婚姻届にサイン後即焼却炉へ。シャブロルらしくホームドラマパートもあって妻子待つ自宅にお金を届けにくるんだけど、札束の中から端数は持って去るケチっぷり。手毬くらいあるボンボンついたハット被ったオードランさんのお洒落ぶりも素敵。これまた素敵なセットの銀行で妻が偽造サインを書くのを躊躇する場面で「お前は本当は誰だ、私は本当は誰だ、我々は誰だ……云々」ゴリ押しの説得するところもよかった。

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