『人とポケモンたちには、言葉のいらない時間が要る』

カラクリ都市で人間嫌いのポケモンたちと心を通わせるポケモン映画。上映時間を再度９０分超に戻したことで見応えのある作品となっており、この様式美での作品はやり尽くしたと言える集大成の一本。ＸＹは数話摘んで観ているがテレビシリーズのクオリティが高過ぎる。

【ポケモンにとって人間は必要か】

※ポケモン大好き人間のレビューです。
スルーして頂いて大丈夫です。


個人的には、5作目『水の都の護神』以来の良作かなと思います。
毎年、欠かさず劇場で観ているポケモン映画ですが、いつの間にかサトシの年齢を大幅に超え、『大きなお友達』となっていますが、そんなの関係ありません笑
ポケモン大好きすぎます笑


ここ数年はポケモン映画もメッセージ性が薄くなってきた印象でしたが、今作は久しぶりにメッセージ性の強い内容で好感がもてました。


さて、今作ですが、人間に作り出されたポケモン、機械仕掛けのマギアナとマギアナを守るボルケニオンのお話。


幻のポケモンが喋るというのはいま始まった話ではなく、テレパシーということでかたがついていますので、ここには触れません。


今回は、人間に傷つけられ、人を信じられなくなってしまったポケモン達が沢山でてきます。
このような設定自体はゲームのブラック&ホワイトバージョンでも扱われたテーマであり、特段目新しくはありません。
しかし、ポケモンを愛し、ポケモンとともに成長を続けてきたサトシとその仲間たち、そしてサトシを信じるポケモン達の発言に泣けること必至。
とくに『サトシは嘘をついたことがない』と必死に訴えるピカチュウの姿勢には泣かされました。脱帽です。

※そもそもサトシという人間はまっすぐすぎて眩しい。10歳でその考えができてかつ勇気があるって相当ですよ。


また、今回はメガシンカについても焦点が当たっています。
そもそも進化を超える進化であるメガシンカはポケモンとトレーナーとの絆をもってして初めてなせる進化です。
しかし、今作は研究者たるジャービスにより作り出されたメガシンカを強制的に行うメガウェーブが対比として描かれます。
そこには絆も、今までともに成長してきた経験もない。
このニセのメガシンカポケモン達とサトシ達のポケモンが戦うわけなのですが、この戦いがかなり熱かったです。
ここが、この映画のバトルシーンとして最大の見せ場でしょうか。
特にピカチュウがピンチの時に出てくるプニちゃんかっこよすぎる。あれはずるい。

※そもそも、今シリーズのサトシのパーティは歴代最強とも言われるほどのパーティというのも注目。
ゲッコウガ、ファイアロー、オンバーン、ルチャブル、ピカチュウとS（すばやさ）が最速なんですよね。


サンムーンに向けてプニちゃん（ジガルデパーフェクトフォルム）の活躍も見せてくれるとはまたにくかったです。


ただ、しいていうならば、ボルケニオンが幻のポケモンの割には若干強さを見せ切れなかったのかなと。
初の水、炎複合タイプですが、水蒸気や霧の部分はありにしても炎の部分も活かせたらなお良かったのではないかと思います。

また、マギアナとソウルハートの関係。とくにソウルハートが死んだあたりからが若干ご都合主義的になってしまいましたが、いいんです。奇跡は起きるんです笑


ポケモン生誕20周年の今年にふさわしい映画の出来栄えで本当に良かった。
間違いなく、子供より大人の方が泣けること間違いなしの映画でした。


※早速ゲームの中で自分のポケモンを可愛がりたいと思いました←
あと、オープニング曲が神。

2016.8.10

• #子供より大人が泣ける

今作品のメインポケモンでもあるボルケニオンは過去に受けた人間の仕打ちによって人間を信じられず毛嫌いするようになる特徴があったのだが、このテーマ性は過去のアニメシリーズや映画シリーズで扱っていたもののように思えたためあまり新鮮味は感じず、そのテーマ性の着地点も曖昧で回答を導き出してないように見えてしまいあまり楽しめなかった。
人間がポケモンを所有するという構図が成り立つ時点で立場的に人間とポケモンでは対等でないように思えるが、それでも絆が芽生え、信頼関係を築くことができるのだと再認識させられた。