《何故父を自分だけのものにしようとなさらないんですか？》
〝私はお母様やゆみ子さんを愛してらっしゃるお父様が好きなの。お父様が家庭を壊すようなお人柄だったらお父様を好きにならなかったかもしれません〟

〝乳母車〟というタイトルと芦川いづみさんと石原裕次郎さんが微笑みを交わすポスターから、新婚カップルの子育てホームドラマだと思って観始めたら…。芦川いづみさんのオトンの不倫が発覚。オトンと愛人の間にできた子どものための〝乳母車〟。それがタイトルだったとは…。

純情可憐な芦川いづみさんのオトンが宇野重吉さんで、オトンの不倫相手がお綺麗な新珠三千代さん、不倫相手の弟が爽やか石原裕次郎さんという豪華な顔ぶれで繰り広げられるオトンの愛人問題。かなり深刻な事案だけど…。

オトンの愛人・新珠三千代さんの凛とした佇まいとしっかりした話しぶりに、なんていい人なんだって感心している娘・芦川いづみさんだけど…。どう見てもオトンの愛人に丸め込まれていて、めっちゃチョロいね。

家庭を壊すような人じゃないから好きになったって新珠三千代さんが言ってたけど、本当に宇野重吉パパが家族を大事にする人だったら不倫なんてする筈ないし、新珠三千代さんが家庭を大事にする人が好きって言うんだったら、その家庭が壊れるようなことしちゃだめでしょ。いづみちゃんも筋が通らない話に聞き入っちゃダメだってば。

オトンの愛人にすっかり感化されたいづみちゃん。いづみちゃんのオカンは、オトンの不倫を知っていても黙認しているのに、いづみちゃんがオカンに告げ口をしてしまったために、すべて表沙汰になってしまって…。

その後、オトンがオカンに釈明をするのだけど…。〝話そう話そうと思っていたが今日になってしまった。いまさら、何も事を荒立てることはないじゃないか。困るんだよ。今お前に出て行かれると。むこうはむこうとして、お前には迷惑を掛けないつもりだから、考え直してくれないか〟って何？オトンは事の重大さに全く気付いていないよね。オトンの言っていることは身勝手の極み。

全てがバレてしまって、オトンとオカンは熟年離婚？それとも何もなかったように元サヤ？オトンと愛人の関係は？赤ちゃんは？みんな揃って話し合おうってなったけど、修羅場の予感しかしないね。

視聴メモ：2025.05.26/110/日活フィルムアーカイブ

《少子高齢化のない世界》

これは名作！
芦川いづみさん目当てで、夏のワンピース姿がめっちゃ素敵💓というだけでなく💦
…内容も深い。

昭和31年、当時の上級国民の生活。洋室の部屋の窓から見える風景が美しい。

時代の違いはあると思うが、不倫して外の子供をつくった男がとても肯定的に描かれている。妻が夫への愛情がなければ、不倫されても仕方がないのかなぁ…、
と途中まで観ていたら、後半の女性たちの決断に新時代の息吹を感じた。

娘のゆみ子（芦川）にしてみたら、自分の母親よりも、父の不倫相手の方が魅力的だったりしたら…。
「なぜあなた、父を自分だけのものにしようとなさらないんですの？」
「私はお母様や由美子さんを愛してらっしゃるお父様が好きだったんだわ」
こういう父の不倫相手には勝てないかも、と思った。
凪良ゆうの小説📚「汝、星のごとく」を思い出す。

更には、家庭を壊すくらいなら、強い意志で別れて、養育費も断って一人で赤ちゃんを育てようとする妾。新珠三千代の凛とした佇まいが美しい！✨✨

一方で不倫を黙認していて娘から詰られた母親も、
「今までの私でしたら、我慢して、また家に戻ったかもしれません。あなた任せで生きている女は決して幸福にはなれないんです。」
…まさかの覚醒！😳😳

女性の誇り、女性の自立、という言葉が、この時代ぐらいから日本にも出てきたのでしょうか。

「これだけ大人が集まっていて、まりちゃん(赤ちゃん)を救えないはずないでしょ」
… こういうことってその通りだよな。
昔の映画の中ではあるけれど、久しぶりに赤ちゃんがいっぱいの景色を見たな。赤ちゃん大会って昔ありましたね。自分も出たかもしれません😅

ラストシーン、石原裕次郎と芦川いづみの若い躍動感に明るい日本の未来を感じさせられる。少子高齢化はそこには全くなかった🤔

女の誇り


父の愛人の存在を知った娘（芦川いづみ）

夫に愛人を作られた妻（山根寿子）

愛人として日陰に生きる女（新珠三千代）

衝突し拗れ絡み合う思い

さすがは大女優達

年齢も立場も違った

三者三様の葛藤が感じられます

そして

石原裕次郎の若い青臭さ

宇野重吉の大人の身勝手さ


割とシリアスな内容で進むのに

終盤は突然コミカルに

バランスが悪いようで

それも悪くないんだよなぁ

一つ言えるのは

お嬢様ルックも良いが

眼鏡の芦川いづみもたまらん

やっぱり素敵です♪

• #芦川いづみにゾッコン