揺れ動く14歳思春期少女の物語。

『なまいきシャルロット』に信仰心を加味した様な感じの作品かな。

爺さんがとんでもない奴（笑）
身体拭かせて○○するは、「死ぬ迄にもう一度“故郷”を見たい」とぬかすは（笑）

アンナの歌もすごかった（笑）

14歳なのに脱いだら凄いのね、上も下も。

実家に帰ってきた14歳のアンナ。家族には様々な問題が起こっていた。父親は出ていき、祖母は病気でベッドから動けない、母親は精神破綻している。幼馴染のピエールと再会し、毛嫌いしていた性へ目覚めていくが、同時に信仰心が揺らいでおり、思春期独自の揺らぎとまじりあわせる。

ミサから始まり街の風景を雨の湿った空気感と共に描写する。アーチの間から見えるモニュメント、色白の少女達。十字架のネックレス。一気に晴れた開放的な緑の多い街の描写に切り替わり、アンナの対面する苦悩をしっかり描写する。14歳の少女には背負いきれない現実がそこには待っている。大好きなじいちゃんであるが、ゲームをして、ご飯を食べる手伝いをし、なんと体を拭いてあげたりもしている。挙句の果てこのおじいさんが「死ぬ前に故郷を最後に一度みたい」ということを言い出す。故郷といっても自分の故郷ではなく、女性の性器のことである。

彼女のキャパを超えた現実はほかにも待ち構えている。父親は家を出ていき、母親は精神崩壊している。思春期の娘に死をほのめかすような発言までしてしまう。

アンナの美しさと澄んだ透明感と対比する現実への諦め。それは信じてきたものへの崩壊へとつながっていく。思春期と重なり合うことで、信仰心と親への不信感は、やがて性のほうへ興味が向かっていく。仲介役として出てくるのが神父である。彼にはそれぞれが本音を打ち明ける。母親と神父の距離感が非常に危うく、立場を利用し近づきあたふたする神父。アンナとの会話の間にも独特のぬるい空気感が流れ、何も発展しないなかに”何か”を想像させる独特の間がある。

少年ピエールにはじめは髪の毛を褒められ触られ、家に帰って即水で洗い流す。しかしやはり性への興味は抑えられない。母親にトップレスを見せた後、ピエールの家に行くときには胸を強調する服を着ていき、無言で誘うのだ。彼女はヌードを惜しみなく披露し、そのふくよかで真っ白のマシュマロみたいなバストにくぎ付けにされる。そこからはただ寝ている彼女に朝日がキラキラと当たるシーンの一つからもエロスを感じさせるように、ラインを舐めるように描写する。

式典では白いドレスに身を包みお花のヘッドドレスに純白なイメージを漂わせ、しかし性へ心が動き、信仰心に揺らぎを感じている彼女はそこから徐々に自分の中での揺らぎが、確信へと変わっていくのだ。一つの死を乗り越え、最後に見せる笑顔には少女のあどけなさの中に大人の女性の色気も備わっている。
エンディングにはRadioheadの”creep”の聖歌隊バージョンが透明に流れ、良い余韻を残してくれる。アンナを演じる少女の透明感を堪能し、少し成長しまた女らしくなった彼女の魅力にもがっちりと心を掴まれる。

神への信仰と思春期の間で揺れ動く聖少女アンナ。家庭はすでに崩壊の危機にあり、そんな環境の中で少女は少しずつ大人の女性へと成長していく。

ロリータ映画を極めたいがために鑑賞。少女アンナがひたすらかわいい。少女×花冠の組み合わせって本当に絵になるよなあ。

お気に入りはアンナが男の子におっぱいをを見せてほくろがあるの…と恥ずかしそうに呟くシーン。それを見て男の子はきれいだとただ一言。おっぱいを性的対象ではなく純粋にきれいだと言ってくれる男ってなかなかいないと思う。あの膨らみはただ揉むためにあるわけじゃないのよ！！

アンナだけでなく回りの大人たちにも適度にフォーカスが当てられているのもいい。サッカーがめちゃくちゃ上手い神父さんの存在感がなかなかよかったのに、尺が短いせいもあって深堀りできていない部分が多いのが残念かな。

バックで流れる讚美歌、少女のみずみずしい美しさ。話としてはなんてことはないのに終始透き通るようにきれいな映画だった。