たにたに

フライド・グリーン・トマトのたにたにのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

【誰が殺したか】2023年62本目

1930年ごろのアメリカ南部、アラバマ州。
中流階級の家庭に生まれたイジーは男の子っぽい性格でもあり、その自由奔放さが家族を困らせていた。彼女の1番の理解者は兄バディ。しかし、電車事故で兄は死去。
悲しみに暮れたイジーはさらに家族から距離をとり、まともな大人になりそうでなかった。
そこに現れたのが、当時兄の彼女であったルース。家族のもとに連れ帰ろうと説得するうちに、イジーはルースの骨太さと根気に惹かれていく。
すっかり仲良くなった2人だったが、ルースがその後結婚。しかし、その夫が極度のDV男で、お腹の子供と共に、逃げ出すようにイジーと家を出る。
後にわかることだがその夫はKKKの一員だとわかる。自分の子供を取り戻すために執拗に嫌がらせをし、イジーの心の拠り所であった黒人奴隷のビッグ・ジョージは酷い拷問に遭う。
そして、DV男はある日突然姿を消す。
誰かが殺害したのだ。


人間ドラマをベースに、ミステリー調の要素を加えながら、過去の物語を回想するお伽話のようなスタイルで展開していく。

勧善懲悪物ではあるものの、どこかスッキリしないのは黒人奴隷の描き方であり、
ある一面だけ見れば白人を守ったヒーローとも捉えられるが、ビッグジョージがご主人様を守るためならモンスターにさえ変わるという奇妙なステレオタイプを我々に植え付けているし、我々はそれをおかしいと思わなければならない。

最後の人肉は明確にはされてないものの、かなり不快な演出でもある。

現代のエヴリンという女性のフェミニズム的考え方も作品のスパイスになっていて、作品として非常に面白く仕上がっています。
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